2004 Fiscal Year Annual Research Report
行為の理解、推測、評価の認知的枠組みとしての文化的スクリプト
Project/Area Number |
14310062
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Research Institution | SEISEN JOGAKUIN COLLEGE |
Principal Investigator |
東 洋 清泉女学院大学, 人間学部, 教授 (60012548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 恵子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (10086324)
田村 俊輔 清泉女学院大学, 人間学部, 教授 (00352823)
中澤 保生 清泉女学院大学, 人間学部, 教授 (30227772)
柿沼 美紀 日本獣医畜産大学, 教授 (00328882)
上村 佳世子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
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Keywords | 文化的スクリプト / 日中比較 / 目標の置き方 / 主要トピック / 分配の公正性 / 重要項目判断 |
Research Abstract |
研究経過 2004年4月-5月の間、「努力」「10年後」の2自由記述課題及び「重要項目判断」「分配公正性判断」課題を中国北京において大学生167名、成人社会人84名に対し実施。中国協力者によりコーデイングを行った。6月-7月、上の資料の部分的日本語訳と点検とコーデイング基準に関する日中の摺り合わせを行った。8月。北京で開催の第28回国際心理学会大会において「文化比較の理論的課題」についての基調講演および「分配公正性判断」についてのポスタ-発表を行った。なお期間中、日中研究実施担当者の打ち合わせ集会,10-11月:日中資料の整理と単純比較,12月:集計方法及び分析方法に関する研究・討議,2005年1月-2月:集計および日中比較,同3月:以上の国内研究集会による検討と北京における研究集会での検討を行った。 研究成果 目標のおき方。前研究における日米の比較では、日本が過程目標型で米国の達成目標型と対照的だったが、日本と中国はどちらも過程目標型で、比較的には日本の方が目標が明瞭であるが、達成に向かって強く動機づけられているとは言えない。主要トピック。中国は情景描写が多く、日本は日常活動の描写が多い傾向が「10年後」課題においてきわめて対照的であった。また中国の方が肯定的な感情の記述が多い。分配の公正性。日本の成人は、収入の性質に関わらず平等分配を是とする傾向が顕著である。日本の学生は収入の性質によって平等分配と貢献度分配にわかれ、中国の成人では収入の性質にかかわらず貢献度分配を是とする傾向がある。重要項目判断。日中の相関が高かったが、中国では真面目さ、習俗尊重、健康維持など、日本では家族、婚姻、個人特性などを重視する傾向が見られた。
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