2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 正大 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70039783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 三佳 京都造形芸術大学, 芸術学部, 助教授 (00259425)
鎌田 大資 椙山女学園大学, 人間関係学部, 助教授 (30278238)
宝月 誠 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50079018)
大山 小夜 金城学院大学, 人間科学部, 講師 (10330333)
高山 龍太郎 富山大学, 経済学部, 助教授 (00313586)
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Keywords | シカゴ学派 / 社会理論 / 都市コミュニティ / エスニシティ / 社会組織 / 犯罪 / 社会心理学 / 社会調査法 |
Research Abstract |
本研究においては、アメリカのシカゴ学派社会学の諸成果の多角的な検討を行ってきた。それを通して、現代社会の諸問題を分析するために有効な社会学的な下地を構築してきた。具体的な領域としては、「社会理論」、「都市コミュニティ」、「エスニシティ」、「社会組織」、「犯罪と逸脱」、「社会心理学」、「社会調査法」の7つを設定することで、シカゴ学派の諸成果を現代社会の分析に活用するツールを用意してきた。各領域での主な成果は以下のとおりである。<社会理論>初期シカゴ学派から第二次シカゴ学派にいたる社会理論の展開を探った。<都市コミュニティ>初期シカゴ学派の成果である「人間生態学」「同心円地帯モデル」「アーバニズム論」などの概念のその後の展開の有様を探った。<エスニシティ>『ポーランド農民』やパークらの初期シカゴ学派の業績の継承の様子を検討した。<社会組織>ヒューズによる初期の業績から、戦後、とりわけ医療の分野で花開いた、ベッカー、ストラウス、フリードソンを中心とした専門職論の検討をおこなった。<犯罪と逸脱>初期シカゴ学派の基本認識枠組である「社会解体論」の展開と変容について考察した。<社会心理学>ミードの理論が、ブルーマーを通してシンボリック相互作用論に継承された様子の考察をおこなった。<社会調査法>近年、その重要性が見直されつつあるフィールドワークや生活史法などの質的調査を中心に検討を進める。その一方で、戦後のシカゴ大学社会学部の主流派を形成していた量的調査の動向にも十分配慮した。その結果、時間的(縦断的)・空間的調査の可能性を探ることとなった。これらの作業から得た知見の一部を公表するために、2003年夏に『シカゴ学派の社会学』(世界思想社)の出版を予定しており、現在、編集作業をすすめている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中野正大: "シカゴ学派におけるエスニシティ研究(下)-E・フランクリン・フレイジア『シカゴの黒人家族』"人文. 51. 117-174 (2003)
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[Publications] 中野正大: "初期シカゴ学派の社会調査の考え方(中)-ヴィヴィアン・パルマー『社会学におけるフィールドスタディ』"人文. 51. 77-116 (2003)
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[Publications] 鎌田大資: "初期シカゴ学派社会学の確立-E・W・バージェスの人と作品"人文. 51. 23-76 (2003)
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[Publications] 高山龍太郎: "シカゴ学派社会学とその時代-1920年代アメリカの社会状況"富大経済論集. 48(2). 91-144 (2002)