2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310089
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
野口 道彦 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 教授 (00116170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30230931)
佐藤 彰男 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (70249514)
三宅 博之 北九州市立大学, 法学部, 教授 (60211596)
|
Keywords | 清掃労働者 / 清掃労働者 / カースト / ヒンズー / モスリム / 差別 / エスニック / 社会階層 |
Research Abstract |
チッタゴン市内の清掃労働者の居住地区であるMadarbari Shebok Colonyにおける全世帯を対象に社会調査を2004年6月から8月にかけて実施した。この地区の大半は、インドのカンプール出身であるというアイデンティティをもち、ハリジャンと自称する清掃人たちである。他方、地区内には、ベンガル・ヒンズーと呼ばれる人たちも少数であるが存在する。これらの人びとは、伝統的には清掃人カーストではないが、生活困窮のためにやむなく清掃人になったと語っている。このような人たちはどのような経緯で清掃人になったのだろうか。今回の調査は、ベンガル・ヒンズー集団とハリジャン集団との比較を目的として実施した。有効回答が得られたのは、93世帯、558人である。そのうちベンガル・ヒンズーは28世帯である。この調査によって得られたデータの分析を現在行っている。 また、ダッカ市のCleaner Colonyは13地区が確認されている。今回(2005年3月14日〜21日)、そのうち8地区においてフィールド・ワークを行った。そのうちの一つ、Ganaltulyは1700世帯の大規模地区であり、ヒンズー居住区とモスリム居住区に分かれている。両者は、ともに市雇用の清掃労働者を主体とした地区であるが、その住宅・施設状況には大きな違いが認められた。Outfall Cleaner Colonyもまた1700世帯の大規模地区であり、大半はモスリム居住区であるが、その中には、ヒンズー教徒からキリスト教に改宗したテルグー・クリスチャンと自称する人びとの居住区がある。これら8地区での聞き取り調査によりさまざまなエスニック集団の多様な実態や多様な意識を把握することができた。さらに全バングラデシュ・ハリジャン協会のリーダーから、社会的地位の向上をめざす活動状況を聞き、大きな成果をえることができた。(なお、Sweeper Colonyは、チッタゴンでは、Shebok Colony,ダッカではCleaner Colonyとよばれており、Sweeperという言い方は避ける傾向にある)
|