2004 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児の算数困難と個別支援の研究-数学的操作の獲得段階に合わせた指導法開発-
Project/Area Number |
14310112
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
前川 久男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50165635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 恵子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (10272147)
東原 文子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60272150)
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Keywords | 学習障害 / 算数 / 高次認知機能 / 基礎的算数スキルテスト / 日本版DN-CAS / プランニング |
Research Abstract |
平成16年度は、学習障害児の算数困難の背景にある認知機能を評価するための検査バッテリーの一つとしてプラニング、注意、同時処理、継次処理といった高次認知機能の個人差を評価する検査バッテリーDN-CASの日本版を作成し、標準化実験に入った。また同時にプランニングと加算操作の方略との関連を検討した。 1)高次認知機能検査バッテリーの開発 アメリカで標準化され、学習障害児や注意欠陥多動性障害児の高次認知機能の評価に利用されてきているDN-CASの日本版の標準化実験を実施中である。そのためDN-CASの日本版標準化実験版を作成し、5才から17才児の1300名を対象に標準化実験を開始し、次年度8月を目処にデータを収集する。昨年実施した予備実験データを基に、問題項目の妥当性と配列決定を行ない、テスターへの講習を昨年8月に実施し、1年の予定でデータを収集予定である。 2)加算操作の方略とプランニングとの関連に関する検討 軽度知的障害児の加算操作における方略使用とプランニングとの関連を検討するため、DN-CASのプランニング下位2課題(Matching Numbers, Planned Codes)と合計が25以下になる加算の問題を、幼稚園年長児17名と小学校1年30名、小学校特殊学級に在籍する軽度知的障害児36名に実施した。健常児より知的障害児がプランニングの得点において有意に低く、効率的加算方略の使用は有意に少なかった。また効率的加算方略の使用とプランニングの相関係数は、健常児群でr=.61、軽度知的障害児群でr=.73と中程度の相関が示され、プランニングと効率的加算方略の使用とプランニングが関連することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)