2002 Fiscal Year Annual Research Report
近世公家社会における故実研究の政治的社会的意義に関する研究
Project/Area Number |
14310152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 早苗 東京大学, 史料編さん所, 教授 (00110693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 恵介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50156816)
宮崎 勝美 東京大学, 史料編さん所, 教授 (60143533)
藤田 覚 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20092322)
詫間 直樹 宮内庁, 書陵部編集課, 主任研究官
田島 公 東京大学, 史料編さん所, 助教授 (80292796)
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Keywords | 裏松固禅 / 大内裏図考証 / 故実 / 公家 / 内裏造営 / 裏松家記録 |
Research Abstract |
1.東京大学史料編纂所に所蔵される、裏松固禅研究の基本的な史料「裏松家記録」千点前後のうち、70%程度について、一点ごとに題名・内容のほか注記・奥書・押紙・朱書など書誌情報を含む詳細な調書を作成した。並行して、「裏松家記録」目録作成の準備のため、調書をデータベース化するにあたり適切な仕様を検討した。また個別の史料について、日本史学および建築史学の側面からの内容の分析を進めた。なお調査の結果史料の一部に破損があり、撮影及び整理後の利用のために修理が必要なことが判明した。そのため、本年度予定していた撮影を行わず、来年度に適切な修理を施した後、逐次全点のマイクロ撮影・デジタル化等の作業を行うよう当初の計画を変更した。 2.固禅の主要な著作『大内裏図考証』について、まず固禅が当初の完成形態として朝廷に献上した宮内庁書陵部所蔵の清書本(献上本)50冊を底本に、その構造の分析を行うとともに、細分化された各小項目ごとに、引用されている史書・日記・儀式書・文学・絵図など史料の史料名・年月日などを抽出した。引続きそれらのデータを集約する引用史料データベースの作成を開始し、清書本のデータの入力をほぼ完了して『故実叢書』本との照合作業に入った。 3.宮内庁書陵部・国立公文書館内閣文庫・東山御文庫・陽明文庫・春日大社などに所蔵される旧公家・朝廷関係の史料群を対象に、固禅・裏松家の関連史料を調査した。そこで主として(1)寛政の内裏再建-朝幕関係、(2)「裏松家記録」中の公家日記・有職故実書関連、の2つの視点から関連する史料を選び出し、焼付写真を購入して研究を進めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 藤田 覚: "江戸幕府の天皇観"岩波講座天皇と王権を考える. 10. 60-91 (2002)
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[Publications] 藤田 覚: "光格天皇の意味"大航海 特集近代天皇論. 45. 44-52 (2002)
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[Publications] 吉田早苗: "『中右記部類』目録"禁裏・公家文庫研究. 1. 191-205 (2003)
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[Publications] 詫間直樹: "伏見宮本『御産部類記』について"禁裏・公家文庫研究. 1. 207-220 (2003)