2004 Fiscal Year Annual Research Report
論理的な日本語表現を支える複合辞形式に関する総合研究
Project/Area Number |
14310194
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
藤田 保幸 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80190049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 有里子 筑波大学, 文芸言語学系, 教授 (40179289)
田野村 忠温 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (40207204)
松木 正恵 早稲田大学, 教育学部, 助教授 (40199774)
中畠 孝幸 甲南大学, 文学部, 教授 (00217811)
山崎 誠 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門, 領域長 (30182489)
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Keywords | 複合辞 / 形式化 / 機能語 / 文型 / 複文 / 形式名詞 / コピュラ / モダリティー |
Research Abstract |
本年度は共同研究の最終の3年目に当たるので、引き続き複合辞に関する各論的研究を進めるとともに、学説史的な考察や対照言語学的な研究、複合辞と関連する辞的形式についての考察なども併せて行い、3年間の研究を幅広いものとして総括するよう努めた。その成果は、内部の研究会で確認するとともに、研究代表者藤田及び各分担者全員(江口・砂川・田野村・中畠・松木・三井・山崎)が書き下ろしの研究論文の形で研究報告書にまとめた。報告書は、さらに5名の研究協力者(丹羽哲也・塚本秀樹・服部匡・馬場俊臣・前田直子)も加え、13名の書き下ろし論文を集めて、今回の共同研究を集大成する形でまとめられた。 内容を概観すれば、まず各論的なものとしては、複合辞「くせに」について検討した藤田論文、複合辞「につれて」「にしたがって」を新聞データから分析した山崎論文、複合辞「について」を主に統語機能から考察した三井論文、複合辞「うえで」について論じた馬場論文、原因理由にかかわる接続助詞的複合辞「こともあって」「ことだし」「言う」から派生する複合辞を広く整理記述した砂川論文、一貫して進めてきた研究史的な考察の一つである松木論文がある。また、複合辞関連形式に関するものとしては、所謂コピュラについて複合辞との関連で論じた田野村論文、形式名詞などとされる「分」についての研究である江口論文、「格助詞+の」などの表現を扱った丹羽論文があり、対照言語学的な内容のものとしては、複合格助詞についての韓国語との対照を行った塚本論文、中国語との対照の内容を含む中畠論文がある。複合辞をテーマとしてこれだけの広がりある研究をまとめた論文集は、これまでにも例がないもので、本研究の成果を十分に示すものとなったといっていい。
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Research Products
(5 results)