2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310203
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
釜谷 武志 神戸大学, 文学部, 教授 (30152838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
興膳 宏 京都国立博物館, 館長 (70023984)
大形 徹 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (60152063)
佐竹 保子 東北大学, 文学研究科, 助教授 (20170714)
長谷部 剛 鹿児島県立短期大学, 助教授 (50308152)
佐藤 大志 広島大学, 教育学研究科, 講師 (90309625)
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Keywords | 楽府 / 雅楽 / 民歌 / 宋書 |
Research Abstract |
六朝期の楽府制度と楽府詩を研究する際に、最も基本的なしかも重要な文献である『宋書』楽志一について、信頼できる定本、現代日本語訳そして詳細な注釈の作成に従事した。その成果の一部は「『宋書』楽志一訳注稿」(一)(二)として、すでに公表した。今年度はそれをうけて、六朝の民歌と最も関係の深い俗楽に関する部分、さらには楽器に関わる部分を対象にした作業を終え、楽志一すべてにわたって上記の作成作業を完成した。今年度作成部分も、ほどなく公開する予定である。この中で、定評ある中華書局標点本の誤りを訂正し、従来の注釈書では解釈し得なかったところを明らかにすることができた。 それに加えて、研究代表者ならびに分担者は各自のテーマのもとで研究を行なった。たとえば「六朝楽府詩における俗楽の雅楽化」では、使用される楽器の変遷から、当時の演奏形式の実態とその変容にせまり、「『楽府詩集』相和歌辞題解釈読」では、『楽府詩集』題解の詳細な検討を通して相和歌の定義と分類の妥当性を論じた。また、六朝期の文学における南北問題、長江の中流域下流域の差異を論じた研究、東晋の楽府断絶がその後の声律論の発生にどのように寄与したかを探求した研究、杜甫の楽府詩と古楽府との関係を明らかにした研究などがあり、一部はすでに学術雑誌に掲載されている。今後こうした研究成果を各自が整理して発表することによって、今回の研究成果の公開にかえたいと考えている。
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Research Products
(7 results)