2004 Fiscal Year Annual Research Report
住宅紛争における「コミュニティ」の意義に関する所有法的考察-マンション管理・居住福祉・ホームレス-
Project/Area Number |
14320014
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 邦彦 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00143347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 和男 長崎総合科学大学, 人間環境学部, 教授 (60116241)
尾崎 一郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (00233510)
椎名 恒 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50281762)
|
Keywords | 居住福祉 / 中山間地 / 平成大合併 / 地方自治 / ホームレス / 所有 / 在日集落 / 震災復興 |
Research Abstract |
最終年度の本研究では、居住コミュニティーが抱えることで研究すべきことが次々と出て、その課題の多さのみを痛感して、いわば「末広がり」的になってきたが、区切りとして、2005年中には、『多文化時代と所有・居住福祉・補償問題』(有斐閣)を刊行する予定である。 この期に追求した課題は、大きく3〜4ほどに分けられる。その第1は、中山間地の居住コミュニティーの問題であり、地方自治の問題とも関係する。平成の大合併で過疎高齢化が進む中山間地の再生の方途を考えることであり、この関係で、北海道では、奈井江町、ニセコ町を視察し(町長と対談)(2004.3/2004.10)、道外では、佐賀県での棚田サミットに参加し、その後、離島(壱岐)、さらには、有機農業先進地の宮崎県綾町を訪ねた(町長と対談)(2004.9)。さらに、福祉の村長野県泰阜村、また内発的発展で有名な小布施町も訪ね、こうした方面の研究成果は、下呂での居住福祉理論合宿及び鳥取県三朝での講演会で発表する機会を得たので(2004.7/2005.2)、成果は、『居住福祉叢書』という形でまとめたい。また、第2に、こうした中山間地での大震災問題として、2004年10月に生じた新潟中越地震に注目して、山古志村の方とともに、座談会報告、研究集会を持った(2004.11/2005.1)。これらは、地域間格差を是正する所有スキームの構築という問題関心とも通じている。 第3は、ホームレス問題で、公共空間の所有問題、貧困地区コミュニティーのあり方であるが、この関連で、大阪西成区釜が崎で研究集会を持ち(2004.7)、さらに、アメリカのこの問題で事情が悪化しているサンフランシスコを視察して成果をまとめた(2005.1)。第4は、戦後補償ないし強制連行とも関係する在日の居住差別問題であるが、この問題も取り上げた日中韓の国際会議に参加して報告し、それを受けた京都ウトロでの研究集会を行った(2004.9/2004.11)。
|
Research Products
(12 results)