2002 Fiscal Year Annual Research Report
企業の意思決定過程における組織エラー防止のための組織人間工学的研究
Project/Area Number |
14330035
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
岸田 孝弥 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (00106262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久宗 周二 (財)海上労働科学研究所, 研究員
大島 登志彦 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (60203767)
武井 昭 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (20045850)
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Keywords | リスクマネジメント / イベントツリー / 組織人間工学 / トライコーン分析 / 企業風土 / 企業文化 / 組織事故 / 事故分析 |
Research Abstract |
平成14年度の研究においては、まず雪印乳業(株)の食中毒事件について、同社大阪工場における問題点を、同工場を監督していた大阪市の保健所及び、大樹工場を監督していた北海道帯広保健所を訪問し、雪印乳業社内における作業の状況、情報の伝わり方等についてのヒアリングと資料の収集を行った。その結果、経営学的視点及び組織人間工学的視点から、雪印乳業における企業風土や企業文化が、大きく影響している様子を捉えることができた。これらについては、イベントツリーを用いたトライコーン分析の手法が、企業におけるリスクマネジメントを行う際の有力な分析手法となることを明らかにすることができた。 次いで、福井市京福電鉄における、事故について現地調査を行った。この中で重要なポイントとして、近年続発した京福電鉄の事故(2001年6月等)は、同社において、1964年8月の事故及び1977年8月の事故等にその遠因があり、全く同じ事故形態にも関わらずそれを繰り返すという悲惨な状況となっていた。これらの全ての事故をトライコーン分析を行った結果、まさに同じタイプの事故が繰り返されているということが、より鮮明になった。その意味では、トライコーン分析による事故分析を行い、データベース化することにより、同種の事故の繰り返しを防ぐことが可能になることが示唆された。 三番目の組織事故として着目したのは、明石市における花火大会での事故である。この事故についても、その年の正月におけるカウントダウンイベントで類似の事故に近い状況、いわゆるニアミスが発生していたことが明らかになった。同様のトライコーン分析によって花火大会時の事故分析をすることによって、問題点を指摘することに役立つことが明らかになった。次年度は、BSE、日本ハムの偽装事件等について、リスクマネジメントの観点から、組織人間工学的手法を用いて明らかにする。
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Research Products
(1 results)