2004 Fiscal Year Annual Research Report
気体の方程式系の解の漸近挙動と非線形波の安定性に関する研究
Project/Area Number |
14340047
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70144631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄 伸一郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30201362)
隠居 良行 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80243913)
小川 卓克 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20224107)
西畑 伸也 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (80279299)
小林 孝行 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (50272133)
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Keywords | 双曲・放物型連立系 / 圧縮性Navier-stokes方程式 / 消散的Timoshenko系 / 定常波 / 時間大域解 / 漸近挙動 / 時間減衰評価 / エネルギー法 |
Research Abstract |
気体の運動を記述するいくつかの方程式系に対し、解の時間無限大における漸近挙動とそこに現れる非線形波の漸近安定性を調べ、次のような成果を得た。 1)一般の双曲・放物型連立系に対し、空間n次元の半空間における初期・境界値問題を考察し、[n/2]+1の微分可能性をもつソボレフ空間において時間局所解の存在と一意性を証明した。この結果は圧縮性Navier-Stokes方程式に対して適用可能である。 2)空間n次元の半空間における圧縮性Navier-Stokes方程式に対し、平面定常波の漸近安定性を示した。これは空間1次元の場合の一般化であり、証明は力学的エネルギーの凸性を利用したエネルギー法に基づく。定常波の空間非一様性に起因する誤差項の処理にはPoincare型の評価式を用いた。 3)消散的Timoshenko系の解の漸近挙動を考察した。この系は緩和的双曲型保存則系の形をとるが、低階項が対称形でないため、その消散構造の解析は一般論の枠組みに属さない。Fourier空間におけるエネルギー法により解のFourier像の各点評価を求め、それに基づいて解の定量的な減衰評価を示した。高周波域ではその消散構造が極めて弱く、その結果、解の減衰率は初期値の微分可能性に敏感に依存することを新発見した。また、解のFourie像の低周波域での漸近形を求め、それをもとに解の時間無限大での漸近形を与えた。
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Research Products
(14 results)