2002 Fiscal Year Annual Research Report
LHC実験のためのQCD高次補正を含むイベント・ジェネレータの開発
Project/Area Number |
14340081
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
清水 韶光 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20011744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 良将 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50195559)
金子 敏明 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40177522)
石川 正 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (90184481)
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)
黒田 正明 明治学院大学, 法学部, 教授 (00170134)
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Keywords | CD / 高次補正 / ファインマン振幅 / 自動計算 / LHC実験 / パートン・シャワー / Tevatron実験 / イベント・ジェネレータ |
Research Abstract |
本グループにより開発されている、GRACEと呼ばれるファインマン振幅の自動生成プログラムを改良し、QCD(強い相互作用を記述する場の量子力学的理論)の高次補正効果を取り入れたイベント・ジェネレータ(仮想事象生成プログラム)を作成するための基礎的研究を行った。 平成14年度においては、陽子・(反)陽子衝突における、4体b-クォーク生成反応のジェネレーターであるGR@PPA_4bを作成し論文を発表すると共に、プログラムを公開した。これは、米国フェルミ国立研究所で行われているTevatron実験及び、欧州共同高エネルギー研究機構(CERN)で準備されているLHC実験で必要となる、陽子・(反)陽子衝突によって発生する4体b-クォーク生成反応について、すべての可能な始状態の粗み合わせを網羅し、PYTHIA等のハドロン生成プログラムとのインターフェイスを持っプログラムである。この散乱過程はヒッグス粒子探索の主要なバックグランドとなるため、大変に重要なものであり、現在Tevatron実験におけるCDFグループ等によって使われている。 さらに、QCDの高次効果を含む計算を効率よく行うためのGRACEの改良を行った。3点相互作用までのループ補正を含んだ実効相互作用関数をGRACEに加えるとともに、QCDに特有の赤外発散を取り除き安定した数値計算を行うための「主要対数項差し引き法」を開発した。この方法と、従来から行われているパートンシャワー法を改良したものを組み合わせることにより、効率よくまた理論的整合性を保ったイベント・ジェネレータを構成する方法を開発した。この方法をDrell-Yan過程と呼ばれる基本的な散乱過程に応用したプログラムを開発し、その有効性を実証した。
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[Publications] Y.Kurihara et al.: "QCD event generators with next-to-leading order matrix-elements and Parton showers"Nuclear Physics B. 654. 301-319 (2003)
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[Publications] G.Belanger et al.: "Full O(α)correction to e+e^-→ννH by GRACE"Nuclear Physics B(Proc.Suppl.). 116. 353-357 (2003)
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[Publications] S.Tsuno et al.: "GR@PPA_4b : A four bottom quark production event generator for PP/PPcollisions"Computer Physics Communications. 151. 216-240 (2003)