2003 Fiscal Year Annual Research Report
水蒸気プロファイルの複合リモートセンシング技術の開発
Project/Area Number |
14340140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津田 敏隆 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30115886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古本 淳一 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 学振特別研究員
堀之内 武 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助手 (50314266)
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
青山 雄一 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 学振特別研究員
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Keywords | リモートセンシング / 水蒸気計測 / RASS / ライダー / 大気温度観測 / ウィンドプロファイラー / 光・電波・音波複合観測 / GPS掩蔽観測 |
Research Abstract |
大気中の水蒸気は、降雨などの気象現象に大きな影響を及ぼす重要な物理量である。本課題では、大気レーダーにより得られる乱流エコー強度から水蒸気量を推定する全天候型水蒸気プロファイル推定法を確立させることを目的とし以下の研究を行った。 1.下部対流圏レーダーとMUレーダーを組み合わせた水蒸気観測アルゴリズムの開発(津田、古本) 研究代表者らにより開発が行われてきたMUレーダーを用いた水蒸気推定法を基礎に本手法の下部対流圏レーダー(境界層レーダー)への応用を既に実現させたが、さらにこれを発展させMUレーダー・RASSと下部対流圏レーダー・RASSを組み合わせることで、高度0.2kmから7.5kmまでの広い高度範囲での水蒸気推定を実現させた。 2.レーダー・ライダー複合観測(津田、古本、中村) レーダーにより観測された水蒸気の検証のため、信楽MU観測所に展開するラマンライダーとの同時観測結果を比較したところ、レーダーによる観測値はラジオゾンデによる結果だけではなくラマンライダーともよく一致することが示された。 3.GPS掩蔽法による水蒸気観測システムの構築(津田、青山) 境界層の温度・水蒸気プロファイル計測手法開発のため、富士山頂でGPS掩蔽試験観測を実施した。観測システムの改良により、昨年度より計測高度範囲が拡大した。 4.水蒸気の複合観測システムの構築(津田、古本、中村、堀之内) MUレーダー・RASSおよび下部対流圏レーダー・RASSに加え、ラジオゾンデ、GPS、ライダーによる推定結果などを複合的に組合せ、安定的に水蒸気推定を行える複合システムを構築するには、1次元変分法を応用した水蒸気推定アルゴリズムの導入が有効であるが、その実現に向けてレーダー観測値の誤差見積りを行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yuichi Aoyama, Y.Shoji, A.Mousa, T.Tsuda, H.Nakamura: "Temperature and water vapor profiles derived from downward-looking GPS occultation data"Journal of the Meteorological Society of Japan. 82(1B). 433-440 (2004)
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[Publications] Ashraf Mousa, Toshitaka Tsuda: "Inversion algorithms for GPS downward looking occultation data : simulation analysis"Journal of the Meteorological Society of Japan. 82(1B). 427-432 (2004)
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[Publications] Wataru Noguchi, T.Yoshihara, T.Tsuda, K.Hirahara: "Time-height distribution of water vapor derived by moving cell tomography during Tsukuba GPS campaigns"Journal of the Meteorological Society of Japan. 82(1B). 561-568 (2004)
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[Publications] Toshitaka Tsuda, Klemens Hocke: "Application of GPS radio occultation data for studies of atmospheric waves in the middle atmosphere and ionosphere"Journal of the Meteorological Society of Japan. 82(1B). 419-426 (2004)
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[Publications] Ho-Fang Tsai, T.Tsuda, G.A.Hajj, J.Wickert, Y.Aoyama: "Equatorial Kelvin waves observed with GPS occultation measurements (CHAMP and SAC-C)"Journal of the Meteorological Society of Japan. 82(1B). 397-406 (2004)
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[Publications] A.de la Torre, T.Tsuda, G.A.Hajj, J.Wickert: "A global distribution of the stratospheric gravity wave activity from GPS occultation profiles with SAC-C and CHAMP"Journal of the Meteorological Society of Japan. 82(1B). 407-417 (2004)