2004 Fiscal Year Annual Research Report
気相水素原子と水素終端シリコン表面の反応ダイナミックス
Project/Area Number |
14350022
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Research Institution | Kyusyu Institute of Technology |
Principal Investigator |
並木 章 九州工業大学, 工学部, 教授 (40126941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲永 征司 九州工業大学, 工学部, 助手 (30093959)
鶴巻 浩 九州工業大学, 工学部, 助手 (20315162)
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Keywords | シリコン表面 / 水素引き抜き / 反応ダイナミックス |
Research Abstract |
我々の研究目的は、水素原子による吸着原子の引き抜き反応、H+D/Si(100)→HD : ABS(abstraction)、及び、H+D/Si(100)→D_2: AID (adsorption-induced-desorption)の反応ダイナミックスの解明を以下の要領で行った。 (1)ABS, AID反応で生ずる脱離分子の角度分布測定 脱離HD,及びD2分子の角度分布に関しては、AID, ABS反応ともにHD, D_2共に表面垂直方向にピークを持つことが判明した。LEPSポテンシャルを用いて、ABS反応の脱離角度分布のシミュレーションを行い、実験結果を再現できた。現在、この結果はほぼ論文として完成でき、現在投稿準備中である。 (2)AID, ABS反応の時間引き抜き用水素原子ビームをチョップし、H+D/si(100)でのD_2脱離脱離の時間応答を測定した。その結果、温度に依存してビームオフ時にもD2脱離が観測され、AID反応は速いプロセスと遅いプロセスが存在することを突き止めた。温度依存性の結果からAID反応はD/Si(100)3x1構造の2水素化Si相に関係して起こることを突き止めた。この結果は、論文として今年出版された(J.Chem.Phys.121,3221(2004))。 (3)上の(2)項をさらに詳細に検討すべく、Hビームのパルス幅(0.4s)を短くし、かつパルス間隔を10sとながくした。さらに、時間分解をあげるためにパルスカウントをマルチチャンネルスケーラ)を用いた。その結果、ABS反応は入射Hパルスの波形に忠実に従うことがわかった。しかし、AID反応には,約0.05s,0.8s及び約30sの3つの成分が存在することがわかった。この事実から、吸着水素の引き抜き反応のダイナミックスは、ABS反応は直接引き抜き反応であることが疑義無く証明出来た。他方、間接的引き抜き反応であるAID反応は、Si(100)表面での3x1 dihydride相を持つdomain上で、照射Hにより過剰に作られた2水素化Siの不安定性に基づく脱離現象であることが確定された。この成果は現在論文として投稿中である。
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Research Products
(2 results)