2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保坂 寛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50292892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 健 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40178645)
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Keywords | 発電機 / 携帯電子機器 / 腕時計 / 振動 / 自励回転 / インピーダンス制御 / 初速度制御 / 生体センサ |
Research Abstract |
昨年度までに提案した自動発電機の自励回転ならびにインピーダンス制御について,安定回転条件の解明,簡便な装置構成の考案,試作機によるセンサとRF回路駆動実験などを行った. 1.自励回転の安定解析 初速度付加およびインピーダンス制御において,最小入力で自励回転を発生し,最大出力で自励回転を維持する条件を明らかにした.錘の位置と速度を座標軸とする位相平面を考え,その中で自励回転の安定存在領域を近似する楕円をシミュレーションにより求め,そこに実際の錘の運動が滞留する条件を実験と計算により明らかにした. 2.インピーダンス制御の簡便化 充電回路と電機子コイルの間に定電流ダイオードを挿入することで,常にコイル電流を一定とし,任意の入力振動に対してインピーダンスが最適値となる装置構成を考案し,実験により確認した.昨年度行ったコイル巻線制御方式に比べ構成が簡単であり,市販の発電機やモータにも適用できるという利点がある. 3.インピーダンス制御の高効率化 入力振動の1周期中でインピーダンスを変化させる方式を検討した.入力と錘の回転の位相差を測定し,これがほぼ一定となるように電気ダンパーを変化させた.ダンパーを強弱2段階に切り替えたところ,昨年度考案のダンパー一定の場合に比べ出力が1割増大した.本方式は,人体運動など,入力が頻繁に変化する場合に特に有効である. 4.自励回転発電機による生体センサおよびRF回路の駆動 腕時計用発電機を利用して自励回転型発電機を構成し,手首の強い振動で500μW(日常運動では平均10μW)の発電が可能なことを示した.これを電気2重層コンデンサに充電し,瞬時に放電することで,パルスオキシメータを駆動し,さらに微弱無線でデータを送信することが出来た.
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