2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属・半導体表面への機能性有機構造の新規構築法の開発
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14350381
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡野 孝 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90194373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 治 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (40110712)
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Keywords | Si(111)面 / 水素終端化シリコン / ヒドロシリル化 / ポリアリール / Suzukiカップリング / 有機導電体 / 強誘電性 / ポリフッ素化エーテル |
Research Abstract |
ケイ素表面(Si(111)面)を水素終端化し、アルケンあるいはアセチレン類とのヒドロシリル化により、表面を有機化するための第一段階として、主に必要となる有機化合物の分子設計と合成法の検討を行った。 (1)エチニルポリアリールの合成とケイ素表面への固定化 ケイ素表面に導電性有機構造を構築できると期待される、エチニルポリアリールの固定化の基礎段階として、4-エチニルビフェニルを既報の合成法を改良して4-ブロモビフェニルとトリメチルシリルアセチレンとの反応で合成した。これを種々の溶媒中、予めフッ化水素酸で水素終端化したp-型シリコンウェハーと反応させた。高被覆率に達するためには比較的高温・長時間を要した。終端有機化したシリコンウェハー試料はX線光電子スペクトル(XPS)で分析し、表面に芳香族性の炭素-炭素結合が存在することが確認された。炭素-ケイ素結合の形成を確認するためにフッ化水素酸・濃硝酸の混合溶液で試料表面を酸化的に処理しクロロホルムで抽出したがこの反応条件では非常に複雑な有機化合物混合物がGC-MS分析から確認されたのみで明確な炭素-ケイ素結合の生成は確認できなかった。 さらに、ナノ電子回路への応用を考えて、反対側末端を官能基化したエチニルポリアリールの合成を検討した。既報の方法では目的の合成中間体が合成できなかったので、合成経路に大幅な改良を加えて、4-アミノ-4"-ブロモ-p^-ターフェニルを合成した。 (2)ケイ素表面上への有機強誘電性薄膜の形成 -OCH_2CF_2CH_2O-部分構造が高い誘電率を持つことを利用して、有機強誘電性メモリに応用可能な、ケイ素表面への固定化のためのポリフルオロアリルエーテルおよびポリフルオロプロパルギルエーテルを合成した。
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