2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属・半導体表面への機能性有機構造の新規構築法の開発
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14350381
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡野 孝 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 助教授 (90194373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 治 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 教授 (40110712)
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Keywords | Si(111)面 / 水素終端化シリコン / ヒドロシリル化 / 有機整流器 / 強誘電性薄膜 / 含フッ素ポリエーテル / 自己組織化膜 / AFMリソグラフィー |
Research Abstract |
(1)昨年度に引き続き、ポリアリールアセチレンの合成と金属ケイ素基板への自己組織化を行った。チオフェンを複数有するアセチレンあるいは電子供与基であるメトキシ基を含むターフェニルアセチレン等を合成した。ホウ素をドープしたSi(111)面へのヒドロシリル化はすでに確立した温和な条件で行うことができた。得られた表面修飾基板は、P-N接合ダイオード構造を有する。整流特性を測定したところ、いずれも良好な整流特性を示した。特に、ターチエニルアセチレンで修飾した基板の整流特性は、すでに知られている非共役型の自己組織化膜基板では見られなかった高い整流性能を示した。 (2)昨年度作製し、すでにその強誘電性が明らかになっている強誘電性ポリエーテル分子ユニットで修飾したシリコン基板の強誘電特性の原子間力顕微鏡による解析を試みた。2.5-5Vのバイアス電圧を印加してAFM探針をスキャンさせることにより膜厚の変化が観察されたが、詳しい解析によりこれは強誘電性によるものではなく、ケイ素基板が電解酸化を受けて表面が盛り上がった結果であることがわかった。しかし、このような酸化反応は単純なアルキル基の自己組織化膜ではより高電圧を必要としこの膜が非常に電解反応を起こしやすいことがわかった。 (3)酸化-還元反応による表面電位の変化を記憶プローブとする記憶デバイスへの応用を見据えて、低電圧で可逆的に酸化-還元が行えるフェロセン分子を導入したオレフィンを合成し、Si(111)面への自己組織化を行った。AFMリソグラフィーにより±1V程度のバイアス電圧で基板上にマイクロパターンを作製することができた。
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Research Products
(2 results)