2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ単位操作の設計理論の確立と高効率ディバイス開発
Project/Area Number |
14350409
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷部 伸治 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60144333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 正裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (60185254)
前 一廣 京都大学, 工学研究科, 教授 (70192325)
橋本 伊織 京都大学, 工学研究科, 教授 (40026076)
野田 賢 京都大学, 工学研究科, 助手 (60293891)
加納 学 京都大学, 工学研究科, 助手 (30263114)
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Keywords | マイクロリアクター / 最適設計 / 流動シミュレーション / 炭素系触媒 / メタノール分解 / 熱交換器 / 滞留時間分布 |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ単位操作の設計支援システムの開発と、ナノ技術を組み込んだマイクロディバイスの開発を目的としている。本年度は、以下の項目について研究を進めた。 1)滞留時間分布を表現可能なマイクロ装置モデルの開発 本年度は、滞留時間分布に焦点を当て、様々な形状のマイクロ流路に対して流動シミュレーションおよび実験を行った。そして、装置内細流路(触媒担持をした際の反応部)、および装置全体の滞留時間分布が、装置形状と装置内圧損に大きく依存することを明らかにし、滞留時間分布を評価あるいは制約条件に組み込んだ装置形状設計法を開発した。 2)温度履歴と滞留時間分布を考慮したマイクロ熱交換器の設計 マイクロ反応器では、滞留時間を精密に制御できるという利点を有しているが、副反応の抑制という観点からは、各流体エレメントがとる温度履歴も問題となる。本年度は反応を含まない熱交換器を対象に、装置形状と温度履歴、滞留時間の関係を、流動シミュレーションにより検討した。 3)金属高分散炭素系触媒膜エレメントの開発 本年度は、マイクロ反応器用の新規な触媒エレメントの調製法の開発を目的とし、数十%の金属が均一に高分散担持した高活性な炭素触媒エレメントの製造を試みた。その結果、厚み約100μm、6-20nmのNi粒子が高分散(Ni含有量約20%)した膜の製造に成功した。また、この膜は、細孔表面積800m2/gで3〜4Åの均一細孔を有した。次に、充填層型触媒反応器を用いて、メタノールの分解反応を実施し、その収率・選択率に及ぼす反応温度、滞留時間の影響を検討した。その結果、本触媒を用いた場合、380℃において、ほぼ100%の反応率が得られること、および滞留時間が水素の選択性に大きく影響し、マイクロ化によるメリットが期待できることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Osamu Tonomura: "CFD-based Analysis of Heat Transfer and Flow Pattern in Plate-Fin Micro Heat Exchangers"Proceedings of PSE Asia 2002. 109-114 (2002)
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[Publications] Takayuki Hirano: "Design of a Coaxial Multi-Layered Micro-Tube Device as a Micro-chemical Process"Proceedings of PSE Asia 2002. 629-633 (2002)
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[Publications] 吉田潤一(編): "マイクロリアクター(長谷部、前:分担執筆)"シーエムシー出版. 233 (2003)