2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体繊維を利用した再生型人工臓器に関する基礎的研究
Project/Area Number |
14350495
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
阿部 康次 信州大学, 繊維学部, 教授 (00126658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 利博 信州大学, 繊維学部, 教授 (30126700)
藤井 敏弘 信州大学, 繊維学部, 教授 (50126702)
佐々木 克典 信州大学, 医学部, 教授 (30170666)
松田 尚樹 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (00304973)
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Keywords | 再生医療 / 人工臓器 / 生体繊維 / 細胞外マトリックス / 軟骨細胞 / 多糖類 / 高分子電解質錯体 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
昨年度までに、多糖類系高分子電解質錯体(PEC)は、細胞培養用基材として優れた素材であるということを明らかにしてきた。しかし多糖類系PECはその構造が非常に複雑なため作用機構を明確にすることは非常に困難である。そのため、多糖類系PECの主要成分であるアニオン性多糖類を単独で培養シャーレに固定化し、細胞応答について検討を加えた。 多糖類固定化基材を用いて骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)を培養したところ、硫酸基を有する多糖類上では対照である細胞培養様ディッシュ(TCD)と同様に伸展しながら活発に増殖した。これに対し、カルボキシル基を有する多糖類上では、特にN-アセチル基を併せて有する多糖類上で細胞増殖が抑制されるとともに、細胞集塊を形成した。この基材上では骨芽細胞の分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ(ALPase)活性が高くなるとともに、対照基材よりも早期に石灰化が生じることが明らかになった。また、分化マーカーであるオステオポンチン、オステオカルシンのmRNAの発現も早期に確認された。この傾向は同じアニオン性多糖類を含む多糖類系PECと同様の傾向であり、PECの骨芽細胞に及ぼす影響はアニオン性多糖類の効果が主因になっていることが明らかになった。また、軟骨細胞に分化する能力を有しているATDC5細胞もアニオン性多糖類固定化基材上での分化挙動が、PEC上での分化挙動と相関していることが示された。 この他にも、酢酸菌が生産するセルロースナノファイバーを用い骨芽細胞を培養用したところ、TCDよりも骨分化が早期に強く促進され、非常に優れた培養基材であることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)