2003 Fiscal Year Annual Research Report
自己診断機能を有するインテリジェントロープの開発に関する研究
Project/Area Number |
14350534
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
花崎 紘一 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守谷 敏之 東京製綱株式会社, 技術部・課長
塚田 和彦 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10179971)
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Keywords | ワイヤロープ / 自己診断機能 / 非破壊検査 / 劣化診断 / 資源開発 |
Research Abstract |
本研究は,電線などのプローブ線を内部に撚り込むことによって,ワイヤロープ自身に疲労や腐食による劣化の自己診断機能を付加することの可能性について検討したものである。まず,電線(電纜)をロープ内によりこんだ新しいロープを製作して強度試験を実施し,以下のような結果が得られた。 ・導体構成素線数が異なる4種類の電纜(外形約3mm)をその中心によりこんだロープ(外径約8mm)を製作し,引張試験とS字曲げ試験を実施したところ,強度特性への悪影響は,それほどないことを確認した。 ・曲げ疲労試験を実施して,その試験継続中に,電纜の電気抵抗(導通)の変化を連続的に計測する実験を行ったところ,電纜の種類によって,導通不良が生じる時期と,その不良の度合い(抵抗値の増加)に違いが生じることを確認し,電纜を構成する導体の材質,素線数,絶縁高分子材料の種類によって,導通不良の発生時期をコントロールできる可能性があることを明らかにした。 ・また,比較的簡単な計測装置によって電纜の導通状態をモニタリングすることによって,ロープの劣化状態(残存寿命)の判断が可能となることが示された。 また,これらのワイヤロープの劣化診断に関連して,特に大型吊橋のハンガーロープの腐食劣化を対象として,以下のような研究を実施し成果を得た。 ・ハンガーロープの腐食劣化をその全長にわたって診断する磁気検査装置(全磁束法)を開発し,実橋における試験を通じて,その実用性を確認した。また,腐食状況を定量的に評価する方法を確立するとともに,実際の腐食が必ずしも均一的なものでないことを発見した。 ・さらに,最も腐食劣化の懸念が大きいハンガーロープ端末固定部について,それを検査するための磁歪型非接触超音波法を開発し,実況における試験を通じて,端末での反射減衰率をもとにして,その劣化状態が判断できる可能性が示された。
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