2003 Fiscal Year Annual Research Report
畜産フードシステムの安全性確保に関する国際比較研究
Project/Area Number |
14360132
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 諭 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70038313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 康博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50202213)
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
早川 治 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00096885)
松田 友義 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70159151)
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Keywords | HACCP / ISO9000シリーズ / トレーサビリティシステム / 電子タグ / 中国ブロイラー産業 / 豪州牛肉産業 |
Research Abstract |
本年度の主要な成果は、中国ブロイラー産業における衛生管理水準の把握と豪州牛肉産業におけるトレーサビリティシステムの解明にある。 1.中国においては、健康志向の高まりから食肉の中でもブロイラー肉の消費量が急速に拡大している。また、安価な人件費により処理段階で競争力を発揮できることから加工度の高いブロイラー肉を日本を中心とした海外へ輸出する動きが活発化している。中国有数のブロイラー業者(生産から処理加工までの行程を経営するインテグレーター)を訪問し、衛生管理システム導入の実態について調査を行った。ここでは、食品衛生検査センター、獣医監視センター、ブロイラー用飼料検査センターを設立するとともに、1999年にはISO9002認証、2001年9月にはHACCP認証を取得し、衛生管理水準の向上に努めている。ただし、このような取り組みは一部の大企業に限られたものと見受けられ、必ずしも産業全体に浸透しているわけではないようである。 2.豪州においては、政府と連携しながら生産段階から小売段階までの衛生管理システムの導入を義務化、または、積極的に推進することにより、高水準の衛生管理体制を構築してきた。最近の牛肉産業の目標は新たなトレーサビリティシステムの推進にある。と畜・加工業者、州政府、食肉家畜事業団への現地調査を行った。これまでトレーサビリティをシステム化するために、各農場には識別番号が割振られ発行されたテール・イヤータグの装着、牛の売買の際の出荷者証明書の添付と証明書への農場番号の記入、と畜加工場における徹底した農場番号と枝肉の照合とその監視指導がされてきた。新たな動向として、システム運用の手間とエラーを最小限に抑えるために、電子タグによる農場識別情報の収集・保存の電子化が推進されている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 甲斐 諭: "米国BSE発生への対応策を提言する 米国BSE発生による食品産業への影響と早期再開への条件"週刊農林. 1877. 4-5 (2004)
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[Publications] 甲斐 諭: "これからの食品安全性対策の課題-牛肉トレーサビリティを事例として-"Nosai. 55(9). 50-55 (2003)
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[Publications] 甲斐 諭: "牛肉トレーサビリティー・システムにおける情報流通と今後の課題"畜産の情報 国内編. 163. 4-12 (2003)
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[Publications] 甲斐 諭: "牛肉の安全性確保政策の検証と新たな体制におけるコスト負担-急がれる費用の受益者分担システムの構築-"畜産コンサルタント. 39(4). 28-32 (2003)
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[Publications] 早川 治: "食品表示問題・安全性と産直活動の課題"農業・農協問題研究. 第28巻. 29-36 (2003)