2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウシにおける咀嚼時消費エネルギーの要因解明とこれによる飼料の機能性評価
Project/Area Number |
14360159
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
田鎖 直澄 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養部, 主任研究官 (60343951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 光規 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養部, 研究室長 (30355060)
樋口 浩二 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養部, 主任研究官 (40352520)
鈴木 知之 (独)国際農林水産業研究センター, 畜産草地部, 研究員
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Keywords | 頭部血流量 / 咀嚼 / 熱発生量 / 牛 |
Research Abstract |
今年度は、ウシでの咀嚼時消費エネルギーの測定方法の確立並びに混合飼料(TMR)給与時の泌乳牛の咀嚼時消費エネルギーの測定を行った。[方法]泌乳中期乳牛3頭を用いて、頸動脈に血流量計プローブを装着するとともに、頸静脈カテーテルを設置することによって、頭部の酸素消費量の測定を行い、エネルギー消費量を計測する。飼料は粗濃比50%の2種類のTMR(コーンサイレージ(CS)主体およびイタリアンライグラスサイレージ(IRGS)主体)を用い、採食時および反芻時の頭部酸素消費量から咀嚼に特異的な酸素消費量を計測する。[結果](1)咀嚼行動時の血流量は休息時の2倍程度、酸素消費量は4倍程度であった。これは咀嚼時には、血流量とともに血液1単位当たりの酸素の取り込み量が増大したためである。(2)咀嚼に要する1分当たりの酸素消費量は、飼料間、反すうと採食の間で有意差は認められなかった。TMR給与下で泌乳牛の咀嚼に要する酸素消費量に関する文献値はないが、ウシおよびヒツジでの文献値はいずれも採食に要するエネルギーが高いことを示している。また、今回観察された反すう咀嚼に要するエネルギー量(J/min/MBS)は、これまでの報告の約2倍に及ぶものである。これはきわめて採食水準が高い泌乳牛に特有な現象と想定される。(3)反すうと採食に要するエネルギー量(J/min/MBS)に差が認められなかったため、飼料乾物摂取量当たりの咀嚼に要するエネルギーは、乾物摂取量当たりの総咀嚼時間に比例する結果となった。(4)咀嚼に要するエネルギーの全身の熱発生量に対する割合はCS TMRで5.1%、IRGS TMRで6.8%であった。
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Research Products
(1 results)