2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウシにおける咀嚼時消費エネルギーの要因解明とこれによる飼料の機能性評価
Project/Area Number |
14360159
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Research Institution | National Institute of Livestock and Grassland Science (NILGS) |
Principal Investigator |
田鎖 直澄 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養部, 主任研究官 (60343951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 知之 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 畜産草地部, 研究員
樋口 浩二 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養部, 主任研究官 (40352520)
栗原 光規 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養部, 研究室長 (30355060)
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Keywords | ウシ / 咀嚼 / 熱量増加 / 採食 / 反芻 |
Research Abstract |
本年度は乳用牛を用い、咀嚼時消費エネルギーに影響する要因についての実験を行い、咀嚼に伴う熱量増加量の推定方法を検討することによって、飼料のエネルギー利用効率および粗剛性についての評価指標化の可能性を検討した。「方法」(1)飼料形状が咀嚼自消費エネルギーに及ぼす影響について、乳用牛を4頭、飼料としてチモシー乾草を用い、切断長を変えた場合の咀嚼時消費エネルギーの検討を行った。(2)飼料種が咀嚼時消費エネルギーに及ぼす影響について、前年度に引き続き、乳用牛4頭を用いて、アルファルファ乾草(AH)、イタリアンライグラス乾草(IRH)、スーダングラス乾草(SH)、トウモロコシサイレージ(CS)、稲わら(RS)について、その物性評価と咀嚼時消費エネルギーの関係を検討した。(3)パラメーター解析・モデル化および妥当性の確認について、飼料の混合比率、飼料の化学分析値および咀嚼行動観察値等と咀嚼時消費エネルギー量との関係を解析し、咀嚼に伴う熱量増加量の推定式を検討した。「結果」(1)飼料形状については、平均粒経5,8および24mmのチモシー乾草給与時には、採食・反芻時間比に影響があったが、咀嚼時間指数および咀嚼時熱損失には特に影響は見られず、咀嚼の相補性が確認された。(2)飼料種の影響では、咀嚼時消費エネルギーが大きい順にRS、IRH、SH、CS、AHの順であり、咀嚼時熱損失は栄養価(代謝エネルギー含量)の約15%(RS)から、約3%(AH)と推定された。(3)乳用牛の咀嚼熱損失を説明する主な要因は、体格および咀嚼時間であった。個別飼料および混合飼料についての検討から、採食時咀嚼熱損失は相加性が認められた。咀嚼時間指数(RVI)と飼料の咀嚼時熱損失(/kg乾物)に高い相関関係が認められ、行動観察によって、咀嚼に伴う熱量増加および飼料の粗剛性評価が高い精度で推定できることが判明した。
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