2003 Fiscal Year Annual Research Report
「睡眠不足」と慢性疲労状態の持続を観測・評価する方法の開発
Project/Area Number |
14370149
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
前原 直樹 財団法人労働科学研究所, 研究主幹 (60165660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 俊 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員 (20342686)
佐々木 司 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (10260134)
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Keywords | 睡眠不足 / 慢性疲労 / 尿中17-KS-S / 17-OHCS / 身体活動量計 / 疲労感 |
Research Abstract |
数週間にわたり、対象者にあまり負担をかけずに心身状態を観測するために、主観評定、身体活動量と睡眠時の尿中尿中17-KS-S/17-OHCS値を組み合わせ、「睡眠不足」慢性疲労状態の持続を観測・評価する方法を確立するための2年目の研究である。今年度は「調査期間が数週間とした場合の検討」を行い、以下の結果を得た。 1.モバイル勤務を行っている営業部門労働者の調査 労働と生活のリズムバランスが崩れて睡眠位相が変化した際の慢性疲労状態の実態を現場調査で調べた。対象者は、週3日以上のモバイル勤務を行っている営業部門労働者6名とした。方法は1ケ月間の生活時間調査および身体活動計の装着によって労働-生活リズムの記録・観察を行った。同時に主要な生活行動を行った場所、疲労感などの主観評定の記録も得た。対象者の疲れの程度は労働時間の長さに依存し、疲労感が強い日には職場外でのIT機器を用いた労働時間が長いという結果が得られた。 2.自動車組立作業者の調査 比較的身体強度が強く、その内容の把握が比較的容易で、反復繰り返しが多い作業を主としている組み立て工程の中で類似の作業形態をとっている作業者(20-30歳代と中高年の男性作業者)を5名選び、5週間、連続的に作業と疲労・ストレス状態さらに睡眠時の様相を測定記録した。睡眠時の様相は、尿中17-KS-S/17-OHCSと主観評定、身体活動計によって測定した。また、勤務中および勤務前後の疲労・ストレス状態の様相は質問紙で把握した。尿中17-KS-S/17-OHCS値は対象者毎に低値を示した割合により、睡眠不足および心身状態の週内および週間変動を表していた。 以上の成績から、現場調査において「睡眠不足」慢性疲労状態の持続を観測・評価する方法として主観評定、身体活動量と睡眠時の尿中尿中17-KS-S/17-OHCS値を組み合わせた方法が有効であると結論された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 前原直樹: "尿中17-KS-Sと17-OHCSの動的平衡は職場や仕事での慢性的な疲労・ストレス状態をどこまで評価しうるか"産業ストレス研究. (2004)
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[Publications] 前原直樹: "出血タイプの脳血管障害の発症に果たす慢性的な疲労・ストレス状態の役割"疲労と休養の科学. (2004)
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[Publications] 前原直樹: "年頭にあたり安全と健康の価値を改めて考える-マニュアルと訓練でなくレシピーと稽古の視点-"労働の科学. 59・1. 1 (2004)
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[Publications] 佐々木司: "夜勤抗体勤務の疲労対策"からだの科学. 230. 25-32 (2003)
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[Publications] 佐々木司: "睡眠研究の視点から-特集・新しい「脳・心臓疾患に関する労災認定基準」を動考えるか"労働の科学. 58・5. 51-55 (2003)
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[Publications] 松元俊: "夜勤時の覚醒水準維持に必要な仮眠の取得時間と時刻条件"労働科学. 79・3. 139-146 (2003)
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[Publications] 前原直樹: "人間計測ハンドブック 担当部分「疲労の時間的推移」"朝倉書店. 526-532 (2003)