2004 Fiscal Year Annual Research Report
多発性硬化症における臨床的・免疫学的多様性とその分子遺伝学的背景因子の検討
Project/Area Number |
14370201
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
田代 邦雄 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (90002154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森若 文雄 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (30142722)
菊地 誠志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10271660)
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Keywords | 多発生硬化症 / 遺伝子多型 / TRAIL / CTLA-4 / HLA / 視神経脊髄型 |
Research Abstract |
日本における多発性硬化症(MS)疫学調査の意義について世界の趨勢と対比して検討した。 TRAIL(TNF-related apotosis-inducing ligand)は、TRAILレセプターを発現する細胞にアポトーシスを誘導するリガンド分子であり、MS患者においてインターフェロンβの治療効果の予測マーカーとして報告された。そこで我々は通常型MS122例および健常者158名においてTRAILおよびにTRAIL-R1(DR4)の遺伝子多型について検討した。TRAIL exon5(3'非翻訳領域)1595C/TsSNPのgenotype frequencyは通常型MS患者群ではCC genotypeの出現頻度が高く有意差を認めロジステック解析でも通常型MSとCCgenotypeとの有意な相関を認めた。IFNβ治療反応症例(responder)17例、IFNβ治療非反応症例(non-responder)16例での比較では両群間にて有意差は認めなかった。1595CC多型がMS発症のリスク因子であることが示されたが、その機序は明らかでない。日本人では欧米人と比較してgenotypeとしてCTを有する割合が高く、日本における有病率が低いことと関連している可能性も考えられた。 CTLA-4遺伝子多型について、エクソン1ヶ所、プロモーター2ヶ所の検討を行った。以前、我々は、エクソン1について、経過の修飾に関与していることを明らかにしたが、今回は症例数および検討個所を増やして検討した。その結果では、いずれの遺伝子多型も疾患感受性因子、経過修飾因子としての関与を証明できなかった。 視神経脊髄型MS(OSMS)の発症に関連しているとされているHLA遺伝子DPB1*0501について検討を深めた。今回の結果からDPB1*0501はOSMSのみならずnonOSMSとも関連していることが明らかとなり、また、DPB1*0301がnonOSMSの独立に関連していることを発見した。
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Research Products
(6 results)