2004 Fiscal Year Annual Research Report
重症・難治性冠動脈疾患に対する心臓超音波利用による細胞移植治療の試み
Project/Area Number |
14370233
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
吉川 純一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60275245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葭山 稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30240956)
大村 崇 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70295707)
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Keywords | Myocatrdial infarction / Remodeling / Cell therapy / Stem cell / Signal transduction / Echocardiography |
Research Abstract |
VEGF遺伝子導入したmesenchymal stem cell使用 心筋梗塞は冠動脈の突然の閉塞により心筋が壊死に陥る病気であり、心筋梗塞発症早期に血流を回復させることが、心筋を壊死に陥らせない最大の治療となる。しかし、時間を経過して病院に来院されるケースも多く、ゴールデンタイムを逃した心筋細胞は不可逆的変化を引き起こしており心筋障害は免れない。また、狭心症においても、手術やインターベンションにより血流が回復できない症例やバイパス術後の再手術、再々手術により血行再建ができない症例は増加してきている。これらの問題を解決するには、心筋梗塞は心筋細胞、そして狭心症は血管の再生が究極的な治療である。今回の検討では、ラット骨髄の初代培養を行い、骨髄間質細胞を分離する。骨髄細胞を低グルコースDMEMにて培養を行い、mesenchymal stem cellを培養する。この細胞株にアデノベクターウイルスにてVEGF遺伝子を導入した。この細胞また培養液中におけるVEGFタンパクの発現をウエスタンブロット法にて確認した。特に培養液中に多量のVEGFタンパクが認められた。また、FACTアナリーシスにて細胞の表面マーカーを検索して幹細胞の同定も行った。この細胞を心筋梗塞ラットに移植して細胞定着について検討した。蛍光抗体法で血管への分化を確認した。また、ごく一部であるが、心筋細胞に分化していることも確認できた。In vivoの研究ではマウス、ラットを用いて細胞移植による心筋梗塞後心不全に対する効果を検討し、その効果を超音波照射と超音波造影剤の同時使用により増幅されるかどうかを検討した。結果としては、細胞移植により心筋梗塞後心室リモデリングは抑制され、心機能低下を防ぐことができた。また、超音波照射と超音波造影剤の同時使用により細胞移植の定着率が向上した。
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Research Products
(6 results)