2003 Fiscal Year Annual Research Report
新しい概念の人工肺(遺伝子導入による低酸素解離ヘモグロビン赤血球)の開発
Project/Area Number |
14370398
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星川 康 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90333814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 輔二 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80281997)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
鈴木 聡 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50344669)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90323104)
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Keywords | 低酸素チャンバー / ヒトβ globin遺伝子 / トランスジェニックマウス / 胎児ヘモグロビン / γ globin遺伝子 / 低酸素順応曲線 / 運動量測定 |
Research Abstract |
昨年度に作成した急性期実験用低酸素チャンバーは、内部が陽圧になる、外部から内部が視認できない、二酸化炭素濃度が上昇しがちである。低酸素を保ったまま内部操作ができない等の著しい欠点を有しており、実験に著しい支障をきたした。そこで、透明なアクリル板を多用しかつ正面板に操作用ゴム手袋が装備された嫌気チャンバーを用い、急性、慢性実験両用チャンバーを作成しなおした。前述の透明なアクリル板と操作用ゴム手袋により、視認しながら、酸素濃度を変化させずに内部操作することが可能となった。また、低酸素ガス導入部と排気部に工夫を凝らしたため、内部酸素濃度を均一に保つことができ、かつ二酸化炭素の排出も良好となった。 昨年度入手したヒトβ globin遺伝子トランスジェニックマウスでは、薬理学的に安定して胎児ヘモグロビン(hemoglobin F)のもととなるγ globin遺伝子を誘導することが不可能と判明した。このため、新たにSeattleとKanzasから特殊なマウスを輸入する手続きを進めた。 この間、再度C57BL/6ワイルドタイプマウスを用いて、低酸素曝露開始後の日中、夜間、及び一日の運動量を滑車によるマウス運動量測定装置を用いて定量し、低酸素順応曲線を描いた。その結果、ワイルドタイプマウスの運動量は、約10%の低酸素曝露開始後約5日で室内気飼育マウスの約50%、13日で約70%、21日目で約90%であることが明らかとなった。この基礎的dataを用い、新規に輸入するヒトβ globin遺伝子を持ったマウスにhemoglobin Fを誘導し、胎児ヘモグロビン(低酸素解離ヘモグロビン)の低酸素環境下運動耐用能に及ぼす影響を検討してゆく予定である。
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