2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸合成酵素遺伝子導入による間葉系幹細胞からの軟骨分化誘導と軟骨修復
Project/Area Number |
14370451
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
守屋 秀繁 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30092109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 佑一 帝京大学, 医学部附属市原病院, 教授 (10282485)
|
Keywords | 軟骨修復 / ヒアルロン酸 / ヒアルロン酸合成酵素 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
平成15年度では軟骨前駆細胞株であるATDC5にレトロウイルスベクターを用いてヒアルロン酸合成酵素(以下HAS2)を導入することに成功した。それによって得られたトランスフェクタントはいずれの軟骨分化時期においても安定したHAを合成することが可能となり、その結果、軟骨特有な細胞外基質の産生をもたらすことが出来た。また、純系ウサギ腸骨より採取した骨髄組織より軟骨分化能を有する間葉系幹細胞を分離培養し、ATDC5を用いて確立したレトロウイルスベクターを用いたHAS2遺伝子導入法を施行し、それによって得られた細胞をコラーゲンゲルに包埋して培養することに成功した。 本年度は、同系のウサギの大腿骨遠位膝蓋大腿関節面に作成した軟骨欠損部に前述したゲル包埋培養した間葉系細胞を移植し、その上に脛骨近位よりの自家骨膜を逢着した軟骨修復モデルの作成に成功した。さらに、その修復モデルにおいて、HAS2遺伝子導入群(レトロウイルスベクター群、遺伝子銃群)と非導入群と比較したところ導入後4週においてHA合成蛋白を用いた染色法の評価にていずれの導入群のほうでも明らかにHA合成量の増加を認めた。さらに導入後12週においてRT-PCRを用いた2型コラーゲンmRNAの発現は導入群において高く、組織修復スコアーでも、Surface regularityとTotal scoreにおいて有意に非導入群よりも良好な修復を示した。 以上より、HAS2を用いた遺伝子導入はより正常に近い硝子軟骨再生および修復をもたらす可能性が示された。
|
Research Products
(2 results)