2005 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔関連薬剤のヒト胎盤通過性とそれに影響する因子の解析
Project/Area Number |
14370498
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
太城 力良 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20107048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上農 喜朗 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30289061)
柳本 富士雄 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (40368543)
植木 隆介 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10340986)
多田羅 恒雄 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30207039)
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Keywords | 胎盤潅流モデル / ヒト / 麻酔薬 / 薬物動態 / 胎盤移行 / 局所麻酔薬 / プロポフォール |
Research Abstract |
クーロアレイ3次元電気化学(ECD)検出システム(4チャネル)にて局所麻酔薬lidocaine、mepivacaine、ropivacaine、bupivacaine、の微量定量法を確立した。 pH変化に伴うタンパク結合率(アルブミン、新鮮凍結血漿)の変化についてのデータを得た。(1)各局麻薬1mcg/ml時の5%アルブミンと新鮮凍結血漿に対する結合率に差はなく、α1-acid glycoprotein (AAG)結合の関与は少ないと考えた。(2)pHによる結合率変化はpH上昇により結合率は増加し、各局麻薬のpKaと溶液pHにより荷電型と非荷電型の比率が決定されるが、血漿タンパクに結合するのは非荷電型と仮定できた。(3)各局麻薬のタンパク結合率は、pH6ではlidovaine≒mepivacaine<ropivacaine≒bupivacaineであった ヒト胎盤潅流モデルを用いた局麻薬の胎盤移行については、上記の4種の局麻薬各1mcg/mlを母体(M)側の胎盤小葉に潅流(15ml/min)し、胎児(F)側潅流液の流速も2ml/minに固定し、潅流液のpHを、(1)M/F側共にpH7.4、(2)M7.4、F6.9、(3)M/F共に6.9の条件で胎児側への移行を調べた。潅流20分後のlidocaineの移行は(1)0.25、(2)0.27、(3)0.15、mepivacaineは(1)0.33、(2)0.39、(3)0.23、、ropivacaineは(1)0.19、(2)0.22、(3)0.15、bupivacaineは(1)0.24、(2)0.24、(3)0.11mcg/mlであった。すなわち、胎児アシドーシスでみられるpHジャンプ現象はM側濃度を上回るほどには認めなかった。今回の潅流液にはタンパクを添加していないためか、M側の潅流後の液の局麻薬濃度は、潅流開始から終了時まで一貫して上昇しmepivacaineで0.71→0.89、lidocaine0.63→0.76、bupivacaine0.56→0.74、ropivacine0.56→0.68mcg/mlであり、これを元にFA/MV比を求めるとmepivacaine>bupivacaine>lidocaine>ropivacaineの順に移行率が高かった。 なお、関連研究として、過去に開発したプロポフォール微量定量法を用いて、同剤の血管痛には薬液の遊離濃度が関係することを見出しそのEC50を求めた。
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Research Products
(3 results)