2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370504
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
木原 和徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40161541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健次 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (20107246)
影山 幸雄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10211153)
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Keywords | 自律神経 / 再建 / 骨盤内臓器 |
Research Abstract |
I 動物実験 1)自律神経再生の電気生理学的、組織学的検討:(1)下腹神経グラフトを用いた骨盤神経の再建では、神経刺激で反応が見られた例で下腹神経グラフト部に光顕的および電顕的に中枢側からのaxonの再生が確認された。(2):神経グラフトの差異(体性神経、自律神経)による神経再建の差異の検討では、両グラフトとも電気生理学的に高率に再建され、組織学的にも(光顕的および電顕的)axonが同程度に再生していた。(3)人工神経チャンネルを下腹神経の欠損部に移植すると電気生理学的に神経経路が再建され、反応陽性例では組織学的(光顕および電顕)に移植部にaxonが再生していた。また、自家神経グラフトとの差はなかった。 2)自律神経再生実験モデルの作製:太い自律神経である迷走神経の切断あるいは縫合後、中枢側からのaxonの再生を光顕的および電顕的に、経時的に観察し得た。神経成長因子などの検討に適したモデルと考えられた。 3)自律神経の標的臓器の解析:神経再建では、その標的臓器の機能の解析が重要となる。そのため、標的臓器である精巣、前立腺、尿道、陰茎に対する成長因子やサイトカインの作用の解析を進めた(発表論文参照)。 II 臨床応用 上記の結果に基づいて、臨床応用を行った。前立腺癌における前立腺全摘除において、勃起を支配する陰茎海綿体神経の欠損部に自家神経移植を多数例に施行した。自家神経グラフトとして腓腹神経、あるいは陰部大腿神経を用い、側移植、両側移植、内側移植を行った。射精を支配する腰内臓神経の欠損部の補填には、陰部大腿神経を用いた。いづれの神経移植においても勃起、射精機能の回復例を認めた。また、神経再建をより良いQOLのもとで行うために内視鏡を用いた、低侵襲、安全、低コスト手術としてミニマム創内視鏡下手術の開発を進め、同手術下での神経再建を多数例で行えた。
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