2002 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス性眼炎症の発症機構に関する分子遺伝学的,分子免疫学的研究
Project/Area Number |
14370550
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 重昭 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50002382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和彦 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (90281807)
小竹 聡 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (00186694)
田川 義継 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40109426)
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Keywords | アデノウイルス / PCR法 / 分子疫学 / ヘキソン遺伝子 / ファイバー遺伝子 / 進化系統樹 / 結膜炎 / 接着因子 |
Research Abstract |
今年度は、以前我々が開発したPCR-RFLP法で同定できない同定不能株が近年多くアデノウイルス結膜炎患者より分離されており、本法の改良と、また、他のより迅速かつ高感度なアデノウイルス検出法の開発を行った。PCR-RFLP法は制限酵素切断パターンのみで同定を行うため、点突然変異の影響を受けやすく、以前からの研究によりアデノウイルスDNAは数年ごとに新たな変異株が出現していることがわかっている現状、いずれ分類不能な株が出現することはやむを得ないものと考えられていた。そこで我々は、本方法で増幅したヘキソンをコードする遺伝子の一部の塩基配列を解読、標準株と併せて進化系統樹を作製しクラスター形成により血清型を同定する方法を開発した。また、これを応用し、ヘキソンと並ぶ血清型の抗原決定基であるファイバー領域についても同様に塩基配列を解読、進化系統樹上の位置により血清型の同定を行うことができることを確認した。塩基配列を解読する同定法として、以前我々はヘキソン上流に存在する超可変領域の塩基配列の相同性により血清型を同定する方法を開発したが、本法はそこからより改良を進め、各ウイルス間の変異をより詳細に検討できる方法であり、アデノウイルスの変異を解析する上で有用な方法である。現在本方法を用いて日本のみならず欧米、東南アジア、中東諸国のアデノウイルス結膜炎検体を用い、各国で流行しているアデノウイルスの血清型、及びいかなる遺伝子型が主体となっているかを調査している。また、検出感度向上についても用いるプライマーセットを変えより高感度な方法を開発できており、これと進化系統樹を組み合わせる方法も検討している。またアデノウイルスDNAのうちファイバー領域の塩基配列及び、変異株の変位部位について、より詳細に検討しており、生体への接着因子の関わる部位について特定を急いでいる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Chin S, Fukushima K, Fukushima J, Kase M, Ohno S: "Ocular torsion produced by unilateral chemical inactivation of the cerebellar flocculus in alert cats"Current Eye Research. 25. 133-138 (2002)
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[Publications] Harada T, Harada C, Mitamura Y, Akazawa C, Ohno S et al.: "Neurotrophic factor receptors in epiretinal membranes after human diabetic retinopathy"Diabetes Care. 25. 1060-1065 (2002)
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[Publications] Okamoto T, Yamagishi S.Inagaki Y, Amano S, Ohno S, et al.: "Yoshimura A : In cadronate disodium inhibits advanced glycation end products-induced angiogenesis in vitro"Biochem Biophys Res Commun. 297. 419-424 (2002)
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[Publications] Yoshida K, Nakayama K, Nagahama H, Harada T, Ohno S, et al.: "Role of matrix metalloproteinase-7 in angiogenesis associated with age-related macular degeneration"J Electron Microscopy. 51. 127-131 (2000)
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[Publications] Okamoto T, Yamagishi S, Inagaki Y, Amano S, Koga K, Ohno S, et al.: "Angiogenesis induced by advanced glycation end products and its prevention by cerivastatin"FASEB J. 16. 1928-1930 (2002)
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[Publications] Harada T, Harada C, Kohsaka S, Wada E, Yoshida K, Ohno S, et al.: "Microglia-Muller glia cell interactions control neurotrophic factor production during light-induced retinal degeneration"J Neurosci. 22. 9228-9236 (2002)