2002 Fiscal Year Annual Research Report
鉄白金磁性合金を活用したアタッチメントシステムの新展開
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14370640
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久恒 邦博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20037526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤瀬 隆 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (80253681)
白石 孝信 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10150468)
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 教授 (10136533)
三浦 永理 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70315258)
田中 康弘 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10217086)
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Keywords | 磁石 / キーパー / 鋳造性 / インプラント上部構造物 / 折り畳み式義歯床固定装置 / レーザー / L1_0型規則構造 / 微細組織制御 |
Research Abstract |
1.鉄白金磁性合金は組成の僅かの変化で磁石あるいはキーパー、双方の磁気性質を得ることが出来る特徴を持つ。磁石としての硬質磁性を向上させることが出来れば、少ない体積で効果的なアタッチメントが実現できる。鉄白金磁石と同じL1_0型規則構造の白金コバルト磁石とのハイブリッド化の可能性を検討した。現在の所、十分な性能は得られていないが、鉄白金磁石も白金コバルト磁石も熱処理によるL1_0型規則相形成と微細組織制御が重要であり、今後微細組織変化を詳細に検討していく予定である。 2.臨床応用の一例として、小口症患者でも装着可能な全部床を実現するため、折り畳み式義歯床の固定装置に適用を試みた。鋳造成形が容易な本材料の特徴を生かせる特製の折り畳み式義歯床を実現できた。適度な機械的強度が必要な全部床の中で、磁石、及びキーパーは可動部分の固定を行う機能材料の役目を果たすので、母材との強固な接着、結合が必要となる。今回はコバルトクロム合金のメタルフレームとレーザー溶接を行った。チタン、コバルトクロムなどの軽量材料とのレーザー溶接は非常に重要なキーファクターであり、この点に関して、機械的強度、耐食性などの詳細な評価を今後行っていく必要があることが確認できた。 3.インプラントの上部構造物としての臨床応用を検討した。内冠にキーパー、外冠に鉄白金磁石を用い、さらに外冠にレジン前装を行うことにした。以上の設計方針を元に製作検討を行った。外冠と内冠の間に効果的に吸引力を発現させるため、両者のマージン部では通常のフレームワーク設計と異なる要件が求められることが分かった。マージン部で磁束密度を集中させるため特殊形状を付与させる点、また磁石エネルギーを得るためにある程度の肉厚が必要となる点である。これらの視点に基づき、新しい外冠フレームワークとバットメントを検討中である。またレジンとの接着性も検討課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Tanaka, K.Hisatsune: "Remanence Enhancement Based on L1_0 Ordering in Fe-Pt Permanent Magnets"Journal of Applied Physics. 93・April(in press). (2003)
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[Publications] I.Watanage, et al.: "Application of cast magnetic attachment to sectional complete dentures for a patient with micorstomia"Journal of Prosthetic Dentistry. 88・6. 573-577 (2002)
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[Publications] H.-J.Seol, et al.: "Ordering behaviors and age-hardening in experimental AuCu-Zn pseudobinary alloys for dental applications"Biomaterials. 23・24. 4873-4879 (2002)
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[Publications] H.Fukunaga, et al.: "Gapless Fe-based metallic cores with low permeability"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 254. 519-521 (2003)
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[Publications] T.Shiraishi, et al.: "Age-hardening behaviors and grain boundary discontinuous precipitaion in a Pd-free gold alloy for porcelain bonding"Journal of Materials Science-Materials in Medicine. 13・10. 979-983 (2002)
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[Publications] E.Miura, et al.: "Oxygen-molybdenum interaction with dislocation in Nb-Mo single crystals at elevated temperatures"Acta Materialia. 50・11. 2905-2916 (2002)