2003 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピン共鳴及び蛍光測定を用いた全身麻酔薬の作用機構の研究
Project/Area Number |
14370653
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 邦明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40133748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30230816)
出山 義昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80271667)
平沖 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10125346)
飯田 彰 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90292036)
福島 和昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00002361)
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Keywords | 全身麻酔薬 / 5-DSA / 16-DSA / ESR / オーダーパラメーター / 回転相関時間 / メタノール / SDS |
Research Abstract |
本年度は、スピンラベル剤5-DSAおよび16-DSAの電子スピン共鳴(ESR)スペクトルを指標に全身麻酔薬がスピンラベル剤周囲の環境に与える影響について検討した。 5-DSA及び16-DSAのメタノール、水、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液中でのスペクトルを測定した。全身麻酔薬として、セボフルレン(S)、イソフルレン(I)、ハロセン(H)、エーテル(E)、エタノール(ET)、プロポフォール(P)、サイアミラール(T)を用い、それぞれ臨床濃度およびその10〜100倍の濃度になるように加えた。ESRスペクトルよりオーダーパラメーターSおよび回転相関時間τを計算した。 メタノール溶液中では5-DSA、16-DSAのいずれもシャープな3本のシグナルを示し、麻酔薬を添加してもスペクトルの変化はみられなかった。一方、水溶液中では5-DSA、16-DSAのいずれのスペクトルもメタノール溶液中に比べ著しく減弱した。しかし、SDSを加えミセルを形成させた溶液にて測定したところ、スペクトルの強度が回復した。これは、脂質様分子であるDSAが水溶液中で会合体を形成したためスペクトルが減弱し、SDSがミセルを形成するとDSAがミセル中に分散したためスペクトル強度が回復したものと考えられた。 次に、SDSミセルを生体膜のモデルとし、麻酔薬によるESRパラメーターの変化を測定した。Sの値は小さく、その変化量は小さいものの、H、E、ET、P、Tにて有意に変化した。一方、s、Iでは変化しなかった。また、τに関してはH、E、ET、Tにて有意に変化したが、S、I、Pでは変化しなかった。さらに、変化の度合いはスピンラベル剤の種類や加えた麻酔薬の種類によって異なった。したがって、麻酔作用を持つという共通点があっても麻酔薬の種類によりスピンラベル剤周囲の環境変化の度合いが異なることが示唆された。
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[Publications] Yoshiaki Deyama: "The effects of histamine on cyclooxygenase-2 induction in osteoblastic MC3T3-E1 cells"Dentistry in Japan. 39. 40-42 (2003)
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[Publications] 大西 玄一: "骨芽細胞様細胞に対するインターロイキン1βの作用"北海道歯学雑誌. 24(1). 15-23 (2003)
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[Publications] 越川 美乃: "骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1の石灰化におけるビスホスホネートの長期的効果について"歯科薬物療法. 22(2). 61-68 (2003)
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[Publications] 黒住 章弘: "局所麻酔薬によるウサギ脳Na^+,K^+-ATPase活件抑制と脂質による影響"北海道歯学雑誌. 24(2). 132-141 (2003)
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[Publications] 森 幸徳: "骨芽細胞様細胞のカルシウム依存ATPase活性"北海道歯学雑誌. 24(2). 213-220 (2003)
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[Publications] 渋谷真希子: "スピンラベル剤のESRスペクトルに対する全身麻酔薬の影響"北海道歯学雑誌. 24(2). 229-237 (2003)
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[Publications] 鈴木 邦明: "分子生物学歯科小事典(西澤俊樹監修,花田信弘,今井 奨,西原達次編集)"財団法人 口腔保健協会(東京). 469 (2003)