2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジャークコストによる不正咬合とその治療結果についての機能的評価
Project/Area Number |
14370695
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 健治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50127247)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
社 浩太郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10303976)
|
Keywords | 正常咬合 / 骨格性下顎前突 / 咬合干渉 / 咀嚼 / 定量的 / 外科的矯正治療 / 動態特性 / 運動制御 |
Research Abstract |
I:正常咬合を有する成人10名を被験者として人工的な咬合干渉を付与し、ガム咀嚼時における下顎の3次元運動奇跡を定量的に評価した。咀嚼サイクルの閉口相において、運動の円滑性を示すことができるジャークコストの値は上昇(円滑性は低下)し運動時間は延長するとともにピーク速度は減少していることが明らかとなった。またその変化の程度は、大臼歯部よりも犬歯の方が大きくなることおよび咬合干渉装着後の経過時間に従って装着前に近づくことも明らかとなった。つまり、歯の早期接触の動態特性を定量的に評価することが可能であると判明した。 II:正常咬合を有する成人40名および骨格性下顎前突症を有する成人40名のガム咀嚼時における下顎の3次元運動軌跡を定量的に評価した。咀嚼サイクルの閉口相において、骨格性下顎前突症患者は正常咬合者と比べて、(1)高いジャークコスト(円滑性に欠く)(2)下顎の運動時間の延長(3)ピーク速度の減少が認められた。これにより正常咬合者の方は骨格性下顎前突症患者と比べて、有意に円滑な咀嚼運動が行われているということが示された。 III:外科的矯正治療を行った骨格性下顎前突症患者10名の治療前後における下顎の3次元運動軌跡を定量的に評価した。外科的矯正治療後には咀嚼サイクルの閉口相において、(1)ジャークコストの減少(円滑性の向上)(2)運動時間の短縮(3)ピーク速度の上昇が認めたれた。これらの動態特性の変化は、外科的矯正治療の有効性・存在理由を証明する本質的な答えとなるものである。 以上に記したように、急性および慢性に作られる咬合干渉の存在による動態特性の変化について運動制御学的観点から本研究を遂行し、その成果が得られた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Takada, K., Fukuda, T., Takagi, M.: "Jerk-cost as a predictor of malocclusions and their treatment outcomes"Orthodontics in the 21st Century. 51-59 (2002)
-
[Publications] Takagi, M., Yashiro, K., Fukuda, T., Takada, K.: "Application of a kinematic model for assessing trajectories of human chewing cycle"IA'02 Proceedings of International Symposium for Young Researchers on Modeling and their Applications. 91-98 (2002)
-
[Publications] Yashiro, K., Miyawaki, S., Tome, W., Yasuda, Y., Takada, K.: "Improvement in smoothness of chewing cycle following treatment of anterior cross bite malocclusion"Journal of cranio-mandibular practice. (In press). (2003)
-
[Publications] Yashiro, K., Nakamura, T., Mizumori, T., Takada, K.: "Application of Fourier series for assessing jaw movement smoothness during speech articulation"Proceedings of workshop on DSP in Mobile and Vehicular Systems. (In press). (2003)