2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370707
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石幡 浩志 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (40261523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荘司 佳奈子 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (90302158)
飯山 正夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00193152)
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Keywords | 超音波 / 聴診器 / 歯周組織 / 高周波 / エコー / GTR / 再生治療 |
Research Abstract |
超音波発信装置(パルサー:Mode15900PR:パナメトリクス)を用い、本実験への協力を承諾した被験者の前歯部歯肉に対してディレイ材を通じて探触子から30MHzの超音波を加えた。得られた微弱なRFエコーをレシーバー(発信装置と同機)にて増幅(40dB)した後、デジタルオシロスコープにて計測した。その結果、遊離歯肉において照準方向に歯根ならびに歯槽骨の存在しない部位において取得したシグナルからは一様に近いノイズを含むエコーが得られた一方、歯槽骨に対する計測では歯肉厚さに相当すると思われる潜時を有する鋭いピークを有する信号が得られた。これは既に20MHzの超音波装置を用いて得られた結果と同様であるけれども、20MHzと比較すると表層軟組織構造に由来すると思われる界面反射波成分がより明瞭に再現性をもって観察された。高周波超音波は低周波超音波と比較して探知深度が小さい反面、深度方向にある微細な構造に対し、より敏感に反応して界面反射波を生ずる傾向がある。従って30MHz帯の超音波は、歯槽骨の形態よりむしろ歯肉組織の構造をより詳細に反映したシグナルをアウトプットすると思われる。課題としては、30MHzの超音波ともなると、ディレイ材を介した探触子の被験部位に対する接触状態が、得られる反射波に相当の影響(波形の増加ないし減衰)を与えることが認められた。そのため、エコーの再現性を確保するには探触子の接触状態ないし接触方向を一定にするのが望ましいと思われる。そのため来年度はステントやストレインゲージなどを用いて歯周組織の接触状態を一定とした環境下における再現性について調査する予定であるけれども、本研究では高周波超音波を"聴診器"として柔軟に利用することを前提としているから、従来の超音波診査で用いられる"振り"の技法を有効利用するノウハウも併せて取得する予定である。
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