2002 Fiscal Year Annual Research Report
薬物精密送達のための微粒子製剤設計と生体応答に関する研究
Project/Area Number |
14370731
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (50171616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩充 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30275094)
川島 嘉明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)
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Keywords | リポソーム / 粘膜付着 / 経口免疫 / キトサン / カルシトニン / 微粒子製剤 |
Research Abstract |
1.生体分子結合活性測定装置を用いた生体-粒子相互作用評価法の確立 1)チップ上に粒子構成成分のリン脂質膜表面を再現し、血清成分との相互作用を評価した。リポソーム粒子を用いてすでに我々が明らかにしている水溶性ポリマーによる表面修飾の効果を本装置で再現できることを明らかにし、定量的解析の手法を確立した。(日本薬学会第123年会(2003/3)で公表予定) 2)チップ上にキトサンを固定化し、腸管粘膜層表面から得られたムチン粒子との相互作用を定量的に評価した。また、このシステムにより、種々のポリマーの簡易的、かつ定量的なムチンとの相互作用評価法を確立した。(日本薬学会第123年会(2003/3)で公表予定) 2.微粒子を用いた消化管免疫応答 凍結融解法により、リポソームにoval albumin(OVA)を活性を保ったまま最も効率よく封入できることを明らかにした。また、マウスを用いてOVA封入リポソームを経口投与し、抗体の産生誘導を確認し、粒子をキトサンコーティングすることによりその効果が増大することを明らかにした。(第19回日本DDS学会(2003/6)で公表予定) 3.消化管粘膜内における粒子、粘膜組織間の相互作用と薬物吸収 1)消化管内での微粒子の粘膜付着と薬物吸収の関係を総括し論文発表した。さらに、粘膜内への粒子の浸入挙動をより詳細に調べ、薬理効果との相関性を明確にした結果を、現在論文投稿中(Pharm.Res.)である。 2)安定性の異なるカルシトニンをリポソームに封入、あるいは吸着させ、経口投与後の薬理効果との相関を調べた。その結果、封入による薬物安定化が確認され、対照とした皮下投与に対して〜20%の利用率であることが判明した。(日本薬剤学会第19年会(2003/4)で公表予定)
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[Publications] Hirofumi Takeuchi: "Mucoadhesive properties of Carbopol or chitosan-coated liposomes and their effectiveness in the oral administration of calcitonin to rats"Journal of Control Release. 86. 235-242 (2003)
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[Publications] 竹内洋文: "医薬品製剤としてのリピッドベシクル"オレオサイエンス. 2. 181-188 (2002)
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[Publications] 山本浩充: "粒子物性制御による微粒子ドラッグデリバリーシステムの機能設計"Drug Delivery System. 17. 321-329 (2002)