2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストーマ保有者の生きる意欲とスキンケア行動にストーマ看護サービスが及ぼす影響
Project/Area Number |
14370800
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前川 厚子 名古屋大学, 医学部, 教授 (20314023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 詳子 名古屋大学, 医学部, 教授 (60212669)
神里 みどり 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80345909)
楠神 和男 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (00234427)
進藤 勝久 近畿大学, 保健管理センター, 教授 (80112043)
田澤 賢次 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80018887)
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Keywords | ストーマ / スキンケア / 看護サービス / 患者会 / 高齢者 / QOL / 災害対策 / 炎症性腸疾患 |
Research Abstract |
平成16年度は本研究の最終年度と携え、「ストーマ保有者の生きる意欲とスキンケア行動にストーマ看護サービスが及ぼす影響」の諸問題について論文投稿と学会発表を行った。ストーマ看護は「手術が必要」と医師から病名を告げられた時が始発点であり、周手術期から回復期、退院後の生活維持期、終末期までのライフスパンを含む。ストーマ保有者への聞き取り、患者会への参加観察と質問紙調査票の解析を通して課題を掘り下げた。 【概括】 1)ストーマ保有者と災害対策:東海大地震が警告される中で、Kオストミークラブ会員を対象に災害対策への認識を調査した。2週間分の非常用ストーマ装具の備蓄率は20.4%と低かった。 2)加齢に伴う課題:65歳以上の比率が60%を超え、生活課題は介護問題から緩和ケアまで拡大していた。虚弱・要介護状態にある高齢ストーマ保有者へのQOL保持、看看連携、訪問看護師と介護職の機能分担、ならびに在宅での終末期ケアの基盤整備が重要であった。 3)炎症性腸疾患によるストーマ保有者の課題:平成15年全国患者会調査データの分析を進めた。2,175名中285名(13.1%)、平均年齢39.8±12.9歳で性比1.6:1であった。手術創、ストーマ周囲と肛門周囲皮膚ケアのニーズは81%であった。人生の「生きがいなし」と答えたものが30%を占め、継続ケア提供時にはメンタルサポートが不可欠と考えられた。 4)ストーマ保有者のライフサイクルと課題:多様な価値観と人生経験や生活背景について配慮をしながら個別的なケアを提供する必要がある。 5)QOL課題:ストーマ造設に関連した治療の成績は向上し、5年無再発生存率は高くなってきたが、主観的な健康状態とストーマの局所状況はQOLと密接な関連を持つので、ケア困難時のマネジメントについては事例の集積と人的資源の整備が必要である。
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