2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370807
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
山下 美根子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部・看護学科, 教授 (60301850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 恵子 埼玉県立大学, 短期大学部・看護学科, 助教授 (80320670)
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Keywords | 認知症高齢者の残存能力 / 残存能力測定尺度 / AAI |
Research Abstract |
認知症高齢者の残存能力測定尺度(Abilities Assessment Instrument-略してAAI)の日本語版^1を作成し、ここ数年老人施設において、延べ100名の高齢者を対象に研究者が1対1で測定を行ってきた^2。その目的は、本日本語版尺度を、わが国の臨床現場で活用可能なものに開発することであった。 今年度は、東北大学の川島隆太教授および、くもん学習センターと共同研究を行った。研究デザインはtime-seriesを用いた。すなわち、学習介入前、対象者のbaselineを測定したあと、学習介入を行い、介入後3ヶ月、さらに介入後6ヶ月の時点、計3回にわたり対象者の残存能力を測定した。 測定尺度としては、AAIの他に、対象者の前頭前野を診るFrontal Assessment Battery (FAB)とMini Mental Status Examination (MMSE)を併用した。都会と地方にある2老人施設において20名を対象として開始したが、調査期間中、入院や他施設への移動などが生じ、計14名を対象とした3回にわたるデータを基に分析を行った。 その結果、対象者の理解・判断力においては、学習介入後の変化はみられなかった。しかし、対象者の気持ちについては、介入後にプラスの変化がみられた。このことから、学習介入は、少なくとも対象者の情緒面に寄与したと思われる。 さらに本調査結果から、認知症であっても、社交性とセルフケア能力は脅かされていないことが再度確認できた。結論として、対象者を縦断的に継続測定することで、学習介入の開始後、どの時点において認知症対象者の残存能力の向上が診られるかについて解明するべき、今後の研究方針が示唆された。 ^1 山下美根子 監訳 痴呆症高齢者の残存能力を高めるケア 医学書院 2002:1-174 ^2 山下美根子 横山恵子 痴呆症高齢者の残存能力測定尺度開発と看護介入について 看護実践の科学 2003;11:58-62
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Research Products
(1 results)