2005 Fiscal Year Annual Research Report
がん体験者の折り合いをつける力に着眼した長期的適応を促す看護援助プログラムの開発
Project/Area Number |
14370821
|
Research Institution | Kochi Women's University. |
Principal Investigator |
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 教授 (80199322)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00149709)
森下 利子 高知女子大学, 看護学部, 教授 (80174415)
大川 宣容 高知女子大学, 看護学部, 講師 (10244774)
水津 朋子 高知女子大学, 看護学部, 助手 (70405538)
|
Keywords | がん体験者 / 折り合いをつける力 / 拡がり / 適応過程 |
Research Abstract |
平成17年度の報告 本年度は以下の内容を実施した。 前年度に引き続き、がん治療の終了したがん体験者の長期的な適応を探索するために、現在の適応状態の1つの指標としての主観的健康およびそれらに関係する要因を明らかにするために、研究協力の得られた施設の外来通院者を対象に、倫理的配慮をして調査を行った。測定は、個人の特性14項目とがんの体験11項目および日本語版MOS short-Form 36-Item Health Survey、日本語版Mastery of Stress Instrumentを用いた。分析はSPSS統計パッケージを用いた。回収率は、78.4%であった。 結果として、以下の内容が明らかになった。 1.主観的健康:がん体験者の主観的健康の得点率は70.2%であった。要素別にみると、身体機能(81.6%)、体の痛み(84.0%)、社会生活機能(82.7%)は、比較的高いが全体的健康観(57.7%)、日常役割機能(63.3%)、活力(65.4%)などが低かった。退院後の期間と主観的健康との間には有意な関係はみられなかった。 2.主観的健康とストレス状態との関係:主観的健康とストレスは、有意な負の相関(r=-.57,p<.001)があった。要素別にみると、心の健康(r=-.64)、活力(r=-.50)、全体的健康観(r=-.49)、社会生活機能(r=-.39)、日常役割機能・精神(r=-.33)、体の痛み(r=-.29)、日常役割機i能・身体(r=-.29)身体機能(r=-.27)であった。ストレス(可能な範囲:29〜145)の平均値は、63.5(SD±17.79)であり、退院後もがん体験者はストレス状態(カットポイント58以上)にあるといえた。退院後の期間とストレスとの間には有意な相関はなかった。 3.主観的健康の関連要因:主観的健康に関連する要因を探るために、平均値の差の検定を行った後、主観的健康を目的変数とし、個人特性、がんの体験、ストレス、折り合いをつける力の要素を説明変数として重回帰分析(stepwise method)を行った。主観的健康に有意な関与を示した変数は、標準化偏回帰係数の大きい順に、ストレス(β=-.443)、通院間隔(β=.216)、年齢(β=-.176)、医療者との関係の満足感(β=.162)、病気に伴う症状(β=-.153)、受けた治療の期間(β=.146)、病気以外のストレス(β=-.128)であり、説明率(R^2)は44.3%であった。
|
Research Products
(1 results)