2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西平 賀昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20156095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 有洋 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20312837)
船瀬 広三 長崎大学, 医学部, 教授 (40173512)
下田 政博 東京農工大学, 農学部, 助教授 (80302909)
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Keywords | 運動関連脳電位 / 運動電位 / 神経伝導速度 / 補足運動野 / 長期運動 / 競技者 |
Research Abstract |
本研究においては10年以上競技スポーツを継続してきた競技者と非競技者の脳内の出力機構、特に運動に強く関与する運動関連脳電位、運動誘発電位などを用いて、長期運動が脳内の出力機構に及ぼす影響を調べることと、長期運動が脊髄運動神経伝導速度にいかなる影響を及ぼしているかを調べることであった。その結果、競技者の運動関連電位を構成する運動電位は、健康成人よりも有意に大きい値を示した。さらに、運動電位の振幅は補足運動野に相当する頭皮上部位で最大を示した。これらのことから長期運動を経験している競技者が随意運動に伴う中枢内情報処理過程の出力系にも影響を及ぼしていることが推察される。特に、運動準備や運動プログラムに関与している補足運動野の活動を活性化させている可能性が推察された。 長期運動が脊髄運動神経伝導速度にいかなる影響を及ぼしているかを調べた結果、利き手側の尺側神経の伝導速度は、競技者が一般健康成人と比較して有意に速いことが明らかになった。さらに非利き側の尺側神経の伝導速度も競技者の方が有意に速い結果を示した。これらの結果から、スポーツ競技者の脊髄運動神経伝導速度は、一般健康成人よりも顕著に速く、末梢神経系へのトレーニング効果の可能性が推察できる。これらの原因としては、長期にわたるトレーニングによって、神経線維の形態的変化や神経線維数の割合の変化、神経線維のピーク値の移行が生じることが推察される。
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Research Products
(6 results)