2003 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀のアジアを描く英国人旅行家の旅行記とその旅に関する歴史地理学的研究
Project/Area Number |
14380025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金坂 清則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00092825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 元秀 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00027559)
天野 太郎 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (70293933)
山田 誠 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (70086172)
坂本 勉 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (90051854)
勝田 茂 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (90252733)
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Keywords | イザベラ・バード / グレート・ゲーム / ツイン・タイム・トラベル / 王立地理学協会 / 学際的研究 / 大英帝国 / アジア / 旅行記 |
Research Abstract |
メンバーのうち金坂は、昨年度に行ったトルコ東部のイザベラ・バードの旅に関する歴史地理学的調査の取り纏めを進め7月の研究会で成果の一端を報告するとともに、バードの中国東北部の旅に関する同様の調査を11月に藩陽(旧奉天)と北京において、現地関係者の協力も得て行い、その成果の取り纏めを進め、さらには研究全体に関わる資料の収集に努めた。また天野は、煙台・大連・営口・藩陽において、またソウルおよび北朝鮮国境地域の坡州において同様の調査をバードの旅に即して実施し、金坂が提示する新しい旅の概念「ツイン・タイム・トラベル」の有効性を確認し、その成果の一端を3月の研究会で詳細に報告した。秋山は昨年度チベットで行った現地調査を踏まえて、チベットに関連する資料の整理を進めるとともに、チベットに関する英国人の旅行記についての文献調査を行った。山田はシベリアヘの英国人旅行家の旅行記の書誌的分析を北海道大学などの所蔵資料を用いて行い、その成果を3月の研究会で報告した。他方、西アジアについては、まず、新谷が英国人旅行家のトルコ・ペルシャの旅と旅行記に関する資料を収集するとともに、バードの『ペルシャ・クルディスタン紀行』の分析と翻訳を試み、勝田は昨年度に実施したトルコ東部のツイン・タイム・トラベル的調査およびその際に収集したトルコ語関係資料に基づき、バードの上記旅行記の該当箇所の検証と翻訳作業を進めた。これに対して、坂本は中東イスラム世界に関わった英国人に関する検討と、本研究課題にとって最も重要な人物でありながら従来日本における研究の乏しいカーゾン,G.N.の旅と旅行記に関する研究を進め、その成果の一端を3月の研究会で報告した。小方はベル,B.の旅行記に記されたシリアの都市遺跡の衛星画像分析と対応させた考察を昨年度に引き続き進めた。 このように各人が、全体として多面的でシステマティックな研究の完成に至ることを明確に意識して研究を進め、その成果と課題を2回の研究会で確認し、報告書の構成についても骨格を固めた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 金坂 清則: "地名成立探求の大切さ(1)"地理. 48・9. 49-54 (2003)
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[Publications] 金坂 清則: "地名成立探求の大切さ(4)"地理. 48・12. 92-100 (2003)
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[Publications] 小方 登: "衛星写真で見るシルクロードの古代都市"シルクロード学研究. 17. 3-37 (2003)
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[Publications] 秋山 元秀: "都市化の進展と住民生活の変容"内陸中国の変貌(石原潤編)(ナカニシヤ出版). 10-53 (2003)
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[Publications] 新谷 英治: "オスマン朝と近世ヨーロッパ像"歴史としてのヨーロッパ・アイデンティティ(谷川稔編)(山川出版社). 152-168 (2003)
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[Publications] 天野 太郎: "北陸寺内町の展開"歴史地理学. 45・2. 1-24 (2003)
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[Publications] 坂本 勉: "ペルシア絨毯の道"山川出版社. 199 (2003)