2002 Fiscal Year Annual Research Report
数学の文化的視野覚醒と新文化創出のための教材・指導法開発研究
Project/Area Number |
14380055
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
礒田 正美 筑波大学, 教育学系, 助教授 (70212967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 二郎 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (20251043)
渡辺 公夫 筑波大学, 数学系, 教授 (50015913)
清水 静海 筑波大学, 教育学系, 助教授 (20115661)
大久保 和義 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80113661)
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Keywords | 数学史 / 比較文化 / インターネット / コミュニケーション / 作図ツール / 解釈学 / アポロニウス / パピルス |
Research Abstract |
数学の文化的視野の覚醒のために平成14年度の研究では次の研究を行った。エジプト数学史・ギリシャ数学史の調査を行うとともに、数学史のサイト開発を推進した。 これまでの研究からの継続的な成果として、リンドパピルスの全容を納めたサイトを開発し、6月に次のサイトをUPした。http://130.158.186.230/forAll/project/history/egypt/index.htm 開発中のサイトは、アポロニウスの円錐曲線論、日時計と円錐曲線、機構のサイトである。ほぼ完了しているが、現時点ではUPしていない。その成果は以下の通りである。アポロニウスの円錐曲線論のサイトでは、円錐曲線論3巻の全訳とその全容の解説ページである。その全容の解説に際しては、Cabri-Java Appletを利用し、作図を基礎に円錐曲線論の命題を解説している。これは、これまでの国内の数学史関連文献では見出せない成果である。日時計と円錐曲線のサイトでは、日時計の陰の軌跡が円錐曲線であることを説明するCabri-Java Appletを開発し、ありえる状況に対応している。既存の関連サイトが代数方程式で計算しているために、円錐曲線を統一的に処理できないのに対して、統一的に処理しえる作図ツールを利用している点が国内には見出せない成果である。機構のサイトはイタリアのサイトの翻訳である。世界的に著名なサイトであるが、言葉の壁で日本ではみることがかなわなかった。これら3つのサイトは、今のインターネット技術水準が続く限り、日本の学校数学の文化的視野を覚醒することに貢献する成果である。コミュニケーションについては、比較数学的視野からその成果を国際学会で発表した。さらに、数学史原典を活用した多数の実践開発を行った。その実践発表は、日本数学界の著名研究者に評価いただける水準であった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 礒田正美: "開発途上国支援数学教育教材共有化へのパースペクティブ"日本科学教育学会年会論文集. 26. 131-132 (2002)
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[Publications] 礒田正美: "数学史上の関数と極限の数学化過程に関する一考察"第35回数学教育論文発表会「課題別分科会」発表収録. 161-167 (2002)
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[Publications] ISODA, Masami., McCRAE Bary, STACEY, Kave: "Cultural Awareness Arising from Internet Communication between Japanese and Australian Classroom"ICMI Comparative Study Conference. 23-30 (2002)
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[Publications] 関口光弘, 礒田正美: "古代ギリシャの代数記号の学習による生徒の数学観の変容に関する考察"日本数学教育学会誌第84回総会特集号. 297 (2002)
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[Publications] 阿部千里, 礒田正美: "デカルトの「幾何学」による生徒の数学観の変容-数学史原典から数学の発展を学ぶ-"日本数学教育学会誌第84回総会特集号. 360 (2002)
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[Publications] 中嶋俊朗, 礒田正美: "アポロニウスの円錐曲線論に基づく接線作図に関する授業開発"日本数学教育学会誌第84回総会特集号. 366 (2002)
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[Publications] 礒田正美, 原田耕平: "絵でみてできる数学実験"講談社サイエンティフィック(予定). 200