2004 Fiscal Year Annual Research Report
一体感のある合同学習を可能にする遠隔双方向教育システムのための音響系の開発
Project/Area Number |
14380084
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
柳川 博文 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (70296309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井田 惇郎 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (10083859)
鈴木 英男 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (50333018)
山崎 芳男 早稲田大学, 国際情報研究科, 教授 (10257199)
東山 三樹夫 早稲田大学, 国際情報通信研究センター, 客員教授 (90255604)
福島 学 福岡工業大学, 情報工学部, 助教授 (40238473)
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Keywords | アレイマイクロホン / 空間分割収音 / 平面スピーカ / 伝達関数変化 / 移動音像 / 仮想現実 / 3次元立体音響 / パネルスピーカ |
Research Abstract |
本年度は(1)音響システム設計のつめ、(2)新たな性能評価手法の導入、(3)仮想現実技術の応用、(4)一人対教室を想定した個人向け端末の開発、などを行った。 (1)システム概要:(i)収音系:複数話者同時発生時に選択受聴するための空間分割収音には、アレイマイクロホンの指向性はおよそ30°以下とする。最適設定位置は教壇後ろ壁面である。(ii)拡声系:振動部分が全面同相駆動される平面振動板スピーカをおよそA2サイズあるいはそれ以上の面積にして壁面に設置すると、従来のスピーカより聞き取り易い。(iii)音響帰還:平面スピーカの辺縁部にアレイマイクロホンを設置すれば一体化する際の音響帰還が少ない。(2)システム評価指標:収音再生システムの評価基準に新たに「聞き取りやすさ」を導入したところ、その心理量を尺度値として規定できシステム設計・評価に有効であることを示した。また、教室らしさに関連する「広さ」感と対応する音響特性とその阻害要因を明らかにした。(3)仮想現実技術の応用:遠隔合同授業を音場共有と捉え、仮想的教室音空間の生成についても検討を行った。その結果、[1]音響帰還低減に有効な、音響伝達特性変化をインパルス応答の初期部から効率的に推定する手法を見いだした。[2]仮想音空間生成に用いる両耳インパルス応答の関数近似について、その誤差の許容限を明らかにした。[3]感性情報の一つである「癒し」感を仮想音空間で表現する方法を明らかにした。(4)個人向け端末:画像ディスプレイ一体型パネルスピーカを用い、受聴者の横方向まで音像定位する3次元立体音響拡声方式を考案し、特許として権利化した。本発明はNECのパーソナルコンピュータに採用されている。 以上より、一体感のある遠隔合同授業のための音響システムの姿を心理的裏付けのある評価を加えて提示できた。
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Research Products
(7 results)