教養教育のための日本近世俳諧・絵画分野のオンライン・コースウェアの開発研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14380091
• Research Institution: National Institute of Multimedia Education
• Principal Investigator: 佐賀 啓男 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (30196109)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 梶田 将司 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 助教授 (30273296) ; 佐々木 丞平 京都大学, 文学部, 教授 (20144313)
• Keywords: 教養教育 / 近世俳諧 / 日本美術史 / 与謝蕪村 / オンライン・コースウェア / インターネット / 文人画 / WebCT

Research Abstract

本研究は、高等教育機関が教養教育のために、インターネットを介して用いることのできる文学・美術史分野のオンライン・コースウェアを開発し、その利用効果を検証することを目的とする。それによって、我が国の教養教育を、方法と内容の両面において充実させ、この分野のオンライン・コースの圧倒的な不足を補って、今後のより組織的な開発のためのモデルを提供するものである。
コースウェア化する内容として、18世紀後半の近世中興期の俳諧、及び、文人画に焦点を当てる。特に画俳両面に活躍した与謝蕪村とその作品に光を当てることによって、教養教育の内容としてふさわしい、詩と絵画の関連を強調した特色ある開発研究を行う。コースウェア化を図る素材は、文字テキスト、古典籍の書物、絵画作品・書簡・俳句などの掛軸、短冊、巻子本等である。これらを文学史、俳諧研究、絵画史、絵画理論を踏まえ、かつ、教授デザイン研究の成果によって、効果的学習を促進する形でコースウェアとして配列・展開していく。その際、教養教育のコースにふさわしい魅力のある配列・展開に留意し、それをコースウェア運用ツール上に実現する。
平成14年度は、研究の初年次として、(1)コースウェアの素材となる資料の整理と準備段階の配列、(2)コースウェアの全体構造の設計、及び、(3)コースウェアのプラットフォームの設置と基礎データ入力と運用試験を行った。(1)の絵画分野については、主として佐々木が執筆したテキストを用いた。(2)については佐賀が担当して実施した。(3)のプラットフォームについては、梶田を中心に吟味し、WebCTを利用することとした。その上で、テキスト、画像等の入力を佐賀が担当して行い、全体計画の約3分の1を入力した。この段階で、大学院生4名によるコースウェアのモニター調査を実施した。

Research Products

• [Publications] Hiroo Saga: "A need for ontological reflection about digitizing words in distance learning"The 2^<nd> Conference on Research in Distance and Adult Learning in Asia, Proceedings on CD-ROM. (2002)
• [Publications] Hiroo Saga: "Learning classical Haiku and paintings authentically through the Web"The 2002 Conference of the International Council for Educational Media, Proceedings on the Web (http://www.ugr.es/~icem2002/Participantes.htm). (2002)
• [Publications] 梶田将司, 平野靖, 間瀬健二: "uPortalによる大学ポータルの構築"平成14年度文部科学省情報処理教育研究集会論文集. (2002)
• [Publications] 梶田将司, 平野靖, 間瀬健二: "uPortalを用いた名古屋大学ポータルの構築"情報処理学会分散システム/インターネツト運用技術シンポジウム2003論文集. 7-12 (2003)
• [Publications] 佐賀啓男(編著): "視聴覚メディアと教育"樹村房. 170 (2002)