2002 Fiscal Year Annual Research Report
障害の重度・重複化とニーズの多様化に対応し得る訪問教育支援システムの構築
Project/Area Number |
14380097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
片桐 和雄 金沢大学, 教育学部, 教授 (00004119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60251568)
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Keywords | 重度重複障害児 / 訪問教育支援システム / 遠隔教育 |
Research Abstract |
本年度(第1年度)の主要な研究課題と検討結果は次のとおりである. 1.障害類型に対応した指導モデルの体系化 本年度から新たな類型の事例として,生活・教育形態が「在宅・通学」の重度重複障害児三名を対象にして,継続的指導プロセスの多面的分析を試みた.指導場面で観察される表情や身体の変化や発声を,行動の定量的解析と心拍変動を中心にした生理心理学的評価にもとづいて,担当教師の働きかけとの関連で把握することが可能となった.これまで担当教師は,行動観察による「快・不快」の判定を主要な働きかけの手がかりとしてきたが,本結果にもとづく指導を継続することで・コミュニケーシヨン欲求の発生とその促進に関する指導の見通しをたてることができる. 2.遠隔教育システムの開発 各種の情報処理デバイスと双方向伝達方式に関する近年の著しい進展を踏まえて,ADSLによるインター・ネットを活用するシステムとISDNによるテレビ電話方式の比較検討を行った.その結果,遠隔教育の方式として前者がより有効な機能をもつことが判明した.特に,在宅重障児の生理心理学的指標(心拍変動情報など)をリアルタイムで伝送できる点は,遠隔教育による援助において,有用な情報となり得る.行動変化に関する画像とともに生理指標を伝送するための処理・加工法の検討を行い,実践場面へ導入するための一定の見通しを得た.
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