2004 Fiscal Year Annual Research Report
障害の重度・重複化とニーズの多様化に対応し得る訪問教育支援システムの構築
Project/Area Number |
14380097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
片桐 和雄 金沢大学, 教育学部, 教授 (00004119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60251568)
中川 一史 金沢大学, 教育学部, 助教授 (80322113)
吉川 一義 金沢大学, 教育学部, 助教授 (90345645)
武居 渡 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70322112)
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Keywords | 重度・重複障害 / 訪問教育システム / 遠隔教育 |
Research Abstract |
本年度(最終年度)の主要な研究課題と成果の概要は次のとおりである. 1.障害類型に対応した指導モデルの体系化 意思表出に特に困難さを有する事例への感覚間相互作用と感覚・運動総合を重視した支援を継続した結果,応答的行動の増加が認められた.特にそれまで解釈が困難であった発声が場面・状況に対応して分化してきたことが,音響分析等によって確認された.また,多くの重障児は言語的働きかけの理解に関する評価が困難であるが,この点に関してNIRS指標を導入して検討した.その結果,成文と非文に対するブローカ領野の酸素代謝反応に差異が認められるなど,障害類型のより詳細な評価とそれにもとづくより妥当な指導課題と指導方法の策定に有効な知見が得られた. 2.遠隔教育システムの開発 これまでの基礎的検討と試行の結果を踏まえて,インターネットを介したネット対話によるコミュニケーションの形成を中心課題にした事例研究を行った.重障児の多くは通常の係わり手が家族と担当教員に限定されているという実態を考慮して,その他の「第三者」が,家庭及びネット上で係わる条件を設定して検討した.その結果,一定期間の家庭での係わりを要するものの,第三者とのネット対話の導入がコミュニケーションの形成,特に表出欲求を促すうえで大きな効果があることが明らかになった.
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