2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380109
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橋本 健夫 長崎大学, 教育学部, 教授 (00112368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 誠 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (60322856)
山地 弘起 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (10220360)
大塚 雄作 大学評価・学位授与機, 構・評価研究部, 教授 (00160549)
橋本 優花里 広島大学, 大学院・教育学部研究科・附属心理臨床教育センター, 助手 (70346469)
鈴木 慶子 長崎大学, 教育学部, 助教授 (40264189)
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Keywords | 授業評価 / 高等教育 / ファカルティ・ディベロップメント / 授業改善 / オートフォリオ |
Research Abstract |
M.トロウのいう大学のユニバーサル化が始まった今、大学には解決しなければならない課題が山積している。この中で最も重要で迅速に解決が図られなければならないのが教育の改善である。エリートではない学生たち、多様なニーズを持つ学生たち、彼等の意欲を引き出し、教育目標を達成するためには、従来の大学で行われていた学生無視の講義式の授業であってはならない。学生主体でかつ学生参加型の授業が多くを占める大学教育への転換が求められている。このためには、授業評価の方法が確立され、授業改善に向けた方策が具体的に示されなければならない。 本研究では、大学の授業を多面的に評価する方法を模索するとともに、授業改善に向けてそれらをどのように組織化するかを追究する。このためには、(1)学生による授業評価、(2)多面的な授業評価方法の追究、(3)授業評価に対する教員及び学生の意識の分析がまず必要となる。本年度は、従来から行っている(1)を再吟味して、その役割を見直すことから始めた。そして授業を教員が実際に観察することも試みた。ただ、時間割上、お互いが自由に観察しあうということにはならなかった。そこで、授業をVTRに記録する手法も試みている。この分析については来年度に入って記録が多くなってから分析を行いたい。さらに(3)に関しては、学生たちと教員を対象としてアンケート調査を行った。現在のところ対象人数が少なく、十分な分析が得られていないが、両者の間には授業評価そのものよりも、互いの信頼関係に関わる理由での疑問が出されている。これはある程度予想されたものであるが、今一度、教員と学生という人間関係からの授業評価に対する十分な検討が必要になるかもしれない。
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[Publications] 橋本健夫, 林 朋美: "学生による授業評価の実施と教員の反応"日本高等教育学会第5回発表要旨集. 114-115 (2002)
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[Publications] 橋本健夫, 鈴木慶子: "長崎大学教育学部における授業評価の歩みと課題"日本教育大学協会2002年度研究集会発表要旨集. 49-50 (2002)
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[Publications] 大塚雄作: "大学教育"児童心理学の進歩(金子書房). 269-292 (2002)
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[Publications] 大塚雄作: "評価情報の意義と活用-FD共同体の形成に向けて-"FDが大学教育を変える(文葉社). 78-90 (2002)
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[Publications] 橋本優花里, 利島 保: "弁別移行学習パラダイムによる認知障害の神経心理学的評価再考"広島大学大学院教育学研究科紀要. 第3部51部. 171-180 (2003)
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[Publications] 長澤多代: "大学授業改革に求められる大学図書館の役割"日本図書館情報学会誌. 105-120 (2002)
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[Publications] 鈴木 誠: "学ぶ意欲の処方箋・やる気を引き出す18の視点"東洋館出版. 188 (2002)