2005 Fiscal Year Annual Research Report
心身状態と認知情報処理を融合させたプラントオペレータモデルの開発と応用
Project/Area Number |
14380179
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
西谷 紘一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10029572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 洋明 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (60362836)
中村 文一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (70362837)
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Keywords | モデル化 / 認知情報処理モデル / シミュレーション / プラント運転 / 人間行動 / 交通事故解析 / ユーザーインターフェース / ヒューマンエラー |
Research Abstract |
本研究では、プラント運転の異常時におけるヒューマンエラーを含むオペレータの行動を認知情報処理モデル(オペレータモデル)を用いたダイナミックシミュレーションによって理解し、対策を考える際に役立てるための一連の方法を開発することを目的としてきた。最終年に当る本年度はこれまでに開発したプラントオペレータモデルを二つの分野に応用する研究を行った。 まず一つ目は、ディスプレイ上の情報を取得して行っている現在のオペレーションの基盤であるプラント操作のためのグラフィック画面を評価するのに、標準的な対応行動をするオペレータとしてオペレータモデルを用いた。プラントの正常時の監視および異常が発生したときの緊急対応時において、必要な情報が適切に表示されるかどうかを、オペレータモデルを用いたシミュレーションによって評価するものである。これまでグラフィック画面の構成等は設計者に任せられてきたが、オペレータモデルを仮想オペレータとして用いる提案手法は、設計者を支援する一つの有力な方法と考えられる。 二つ目は、出会い頭事故発生時におけるドライバーの認知・判断エラーを詳細に調べるため、オペレータモデルをベースにしてドライバーモデルを作成した。このモデルによってドライバーの行動を認知情報処理レベルで分解することができる。得られた行動分解チャートを用いることによって、熟練者と非熟練者の対応行動の違いを認知情報処理レベルで明らかにすることができた。この違いに注目した事故発生シミュレーションはリスク情報をドライバーにフィードバックするのに有用と考えられる。また、シミュレーションで得られる知見は、今後非熟練者をどのように教育・支援するかを考える上でも有用である。
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Research Products
(6 results)