2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380201
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 和也 京都大学, 防災研究所, 教授 (50026126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 一 京都大学, 防災研究所, 教授 (80144393)
戸田 圭一 京都大学, 防災研究所, 教授 (70273521)
立川 康人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40227088)
市川 温 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30293963)
武田 誠 中部大学, 工学部, 講師 (50298486)
|
Keywords | 都市水害 / 流域治水 / 洪水氾濫 / 内水氾濫 / ハード的対策 / ソフト的対策 / 流出解析 / 超過降雨 |
Research Abstract |
本研究は,都市とその周辺をひとつの流域としてとらえ,この流域における水害事象の機構を明らかにするとともに,流域としての治水機能を高める施策とその評価法を考察し,都市の治水論を総合化しようとしたものである. 本年度は,広域分布型流出予測システムの開発,都市域での内水氾濫抑制策としての雨水貯留施設の効果検討,地上と地下空間を統合した氾濫解析モデルの拡張を中心に研究を進展させた.主な成果は以下のようである. (1)淀川流域全域を対象とした広域な分布型流出予測システムを開発した.システムでは,ダム群の流況制御過程も考慮している.再現計算より,システムは洪水時の高度な流況制御の過程を定性的・定量的に表現できるものであることを確認した. (2)枝線下水道までを考慮した下水道ネットワークを組み込んだ都市域内水氾濫解析モデルを基に、大阪市大正区の集水区を対象として小規模貯留施設の氾濫抑制効果を考察した.その結果、継続時間が短い集中型の降雨に対しては、雨水貯留施設が浸水抑制に効果を発揮する半面、継続時間が長く確率年が大きな降雨に対しては、ピーク時に雨水貯留槽が一杯になり、さほど効果が上がらないことが知られた. (3)地上と地下空間を複数の貯留槽(ポンド)が連結して構成される空間とみなした拡張型の洪水氾濫モデルを構築した.1999年6月の福岡水害の再現計算を行ったところ,地上・地下空間で浸水実績と概ね一致する結果が得られた.また京都市域に適用した結果より,鴨川右岸での溢水時には,市内中心部の地下街が浸水する危険性が高いことが明らかとなった.また氾濫水が地下鉄空間に流入した際には,地下鉄軌道を経由することにより地上の浸水域から離れた場所まで浸水が拡大する危険性があることも知られた.
|
Research Products
(6 results)