2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規ALS原因遺伝子(ALS2)の遺伝子産物の細胞内挙動と分子機能の解明
Project/Area Number |
14380361
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
秦野 伸二 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (60281375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 一則 東海大学, 医学部, 助手 (10338767)
大須賀 等 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (60203775)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 家族性ALS / ALS2遺伝子 / 運動ニューロン / 神経変性疾患 / グアニンヌクレオチド交換因子 / 低分子量Gタンパク質 / タンパク質ドメイン |
Research Abstract |
本研究は、家族性筋萎縮性側索硬化症2型の原因遺伝子産物「ALS2タンパク質」の分子機能解析を通して、ALS2タンパク質の機能喪失による運動ニューロン障害の分子機序(ALS2分子病態)の解明を目指すものである。平成14年度は、特に下記4点に関して解析した。 1.各種発現コンストラクトの作製 ヒトおよびマウスALS2タンパク質の全長および部分タンパク質を発現するコンストラクトを作製した。 2.抗体作製 内因性ALS2タンパク質を検出するためのポリクローナル抗体の作製を試みた(合計8種類の抗原を使用)。その結果、マウスALS2タンパク質を特異的に認識する1種類のポリクローナル抗体、ヒトおよびマウスALS2タンパク質をともに認識するポリクローナル抗体を2種類、さらにヒトALS2タンパク質のみを認識するポリクローナル抗体を1種類得ることに成功した。 3.ALS2タンパク質の培養細胞における発現とその細胞内分布 GFP融合型ALS2タンパク質を培養細胞(COS-7およびHeLa細胞)内で強制発現させ、該当タンパク質の細胞内発現、局在および挙動を解析した。その結果、全長ALS2タンパク質は細胞質存在することが明らかとなった。また、一部は細胞内小器官および細胞膜に局在することが判明した。 4.ALS2タンパク質のGDP/GTP交換反応活性の検出 ALS2タンパク質はそのドメイン構造から何らかのGDP/GTP交換反応活性を有することが予想された。 そこで、大腸菌あるいは動物細胞により大量発現・精製したALS2タンパク質を用いて、様々な低分子量Gタンパク質を基質としたGDP/GTP交換反応活性測定を行った。その結果、ALS2タンパク質はRab5特異的にGDP/GTP交換反応を触媒することが明らかとなった。従って、ALS2タンパク質はRab5-GEF(グアニンヌクレオチド交換因子)であることが判明した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ming Xu: "Functional human NAIP promoter and transcriptional elements of the human NAIP and ψNAIP genes"Biochim. Biophys. Acta. 1574(1). 35-50 (2002)
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[Publications] Takeya Okada: "Unstable transmission of the RS447 human megasatellite tandem repetitive sequence that contains the USP17 gene encoding a functional deubiquitinating enzyme"Hum. Genet.. 110(4). 302-313 (2002)
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[Publications] Roshni R.Singaraja: "HIP14, a novel ankyrin domain-containing protein, links huntingtin to intracellular trafficking and endocytosis"Hum. Mol. Genet.. 11(23). 2815-2828 (2002)
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[Publications] 秦野伸二: "家族性ALSの新たな遺伝子"BRAIN MEDICAL. 14(1). 47-54 (2002)
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[Publications] 秦野伸二: "ALSの原因遺伝子"生化学. 74(6). 483-489 (2002)
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[Publications] 秦野伸二: "筋萎縮性側索硬化症原因遺伝子の同定とゲノム研究"ゲノム医学. 2(3). 231-240 (2002)
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[Publications] 秦野伸二 (分担著): "脳機能の解明-生命科学の主潮流-(赤池紀扶、東英穂、阿部康二、久保千春編)、第8章神経変性疾患の遺伝子異常と病態解明、家族性筋萎縮性側索硬化症2型(ALS2)の原因遺伝子"ガイア出版会、福岡. 299-305 (2002)