2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規ALS原因遺伝子(ALS2)の遺伝子産物の細胞内挙動と分子機能の解明
Project/Area Number |
14380361
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
秦野 伸二 東海大学, 総合医学研究所, 助教授 (60281375)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 家族性ALS / ALS2遺伝子 / 運動ニューロン / 神経変性疾患 / グアニンヌクレオチド交換因子 / 低分子量Gタンパク質 / 細胞内膜小胞移送 |
Research Abstract |
本研究は、家族性筋萎縮性側索硬化症2型の原因遺伝子産物「ALS2タンパク質」の分子機能解析を通して、ALS2タンパク質の機能喪失による運動ニューロン障害の分子機序の解明を目指すものである。平成16年度は、下記3点に関して解析した。 1.ALS2タンパク質の神経細胞における発現とその生理的意義: ALS2タンパク質をマウス神経初代培養細胞で強制発現させ、当該タンパク質の細胞内発現、局在および挙動を解析した。その結果、ALS2タンパク質は細胞体およびに神経樹状突起において低分子量Gタンパク質Rab5の存在するエンドゾームに局在することが明らかになった。さらに、Rab5の局在しない〓突起先端部においてもALS2タンパク質の局在が観察された。 2.ALS2タンパク質に結合するタンパク質因子の同定 酵母two-hybridスクリーニングによりALS2タンパク質と結合する因子のスクリーニングを行った結果、ALS2タンパク質自身が結合しうる(オリゴマー形成)ことが示された。さらに、ALS2タンパク質は、ALS2と高い相同性を示す新規タンパク質ALS2CLと結合することが判明した。また、細胞においてALS2CLタンパク質は、ALS2タンパク質によるエンドゾーム動態調整機能を修飾する可能性が示された。 3.ALS2タンパク質の各ドメインの機能解析: ALS2タンパク質の有するRab5GEF活性の触媒機構の詳細を解明するため、MORNおよびVPS9ドメイン以外の領域で活性に必須なアミノ酸残基の同定を試みた。その結果、MORNとVPS9ドメイン間の58アミノ酸領域(1279-1336aa)が必須であることが判明した。また、その領域がALS2タンパク質のオリゴマー形成に必須であること、オリゴマー形成能がALS2の有するRab5GEF活性ならびにエンドゾーム動態調節に必須であることも明らかとなった。
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